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カップ麺、ビールにメガネにダイヤモンド!無料配布成功の秘訣!

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
5.0
113
2009年9月18日 10:46

企業の販売促進策として、商品無料配付が盛んに行われている。最近の傾向は少量サンプルの「試供品」ではなく、商品現物を配付する太っ腹な企画が目につく。そんなんで採算会うの?と思う方も多いだろう。そこで、無料配付の成功の秘訣を考えてみたい。

最もポピュラーな態度変容モデルは「AIDMA」である。それは、A(Attention:注意喚起)→I(Interest:興味喚起)→D(Desire:欲求喚起)→M(Memory:記憶)→A(Action:購買)と、初回の購入までの過程に注目している。それに対してAMTULはA(Attention:注意喚起)→M(Memory:記憶)→T(Trial:試用)→U(Usage:日常利用)→L(Loyal:ファン化)という、反復利用とファン化までを目標に据えている点が大きく異なる。
AMTULで重要なのは、まず「試す」点だ。試用させるためには「値引き」などの方法もあるが、やはり無料に勝るものはない。つまり、無料配付で成果を出す秘訣の一つは、商材が試させれば納得感が得やすいもので、消費者が納得さえすれば、その後反復利用が見込めるものであることが挙げられる。


しかし、購入頻度が低い商品でも無料配付での販売促進を実行している例もある。
昨日、9月17日に原宿でメガネの無料配付が行われた。配付数こそ1000個と先の例よりケタ一つ少ないが、原宿の明治通りに大行列ができ、その列は最長550メートルになったという。
配付されたのは度付きで4990円相当の商品だというが、メディアの報道によれば「タダだからカラフルな遊べる色のフレームを選んでもいいかも」といった消費者の声もあったという。(東京ウォーカー)その意見を考えれば、昨今メガネの使用者は一つのメガネをかけたきりでいるわけでなく、複数のメガネを掛け替える人も多いことから、無料で「遊べるメガネ」を一つ作らせて以後の反復購入を狙うとも解釈できる。しかし、この場合、あくまで知名度向上のためのイベントであると考えた方が自然だろう。
無料配付を行ったのはアイウェアショップ「JINS(ジンズ)」。旧社名は「JIN's GLOBAL STANDARD」。代官山の店舗など値段に似合わぬオシャレな店と品揃えと隠れた人気を誇っていたが、店名も変え、全国各地に多店舗展開をしていることから、ここは一つ、その名を知らしめる起爆剤が欲しいところだったといえるだろう。
今回のイベントは<イベント内容の告知は9/14(月)からWEBのみで行い、CMでは“原宿で何かが起こる”というWEBへの誘導のみ。たった3日間でこれだけの大行列となった。(東京ウォーカー)>という。
Web見て集まった人々が、無料配付のメガネを手にした後はBlogやSNSにその商品の感想を記すことは想像に難くない。つまり、一番の狙いは「ネット上でのクチコミ」であろう。

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