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【岐阜】

杉原氏いたから私たちがいる ビザでユダヤ人女性が感謝の手紙

2009年9月18日

杉原千畝記念館に展示されているミローさんの手紙と家族の写真=八百津町で

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 杉原さんに永遠の感謝を−。元外交官の故杉原千畝さんが第2次大戦中に発行した“命のビザ”で救われたユダヤ人女性から、杉原さんの出身地の八百津町役場に2880ドル(約26万円)の小切手と手紙が届いた。手紙の一部を同町の杉原千畝記念館で展示している。

 送り主の女性は、米フロリダ州のアンナ・ミローさん。孫のマヤ・ドゥーニエツさんとひ孫のナディアちゃんの母子が5月に同記念館を訪れたのを機に、手紙を寄せた。

 ミローさんは1940年7月、ナチスドイツによるポーランド侵攻から逃れた際、リトアニア領事館代理だった杉原さんから、両親ら一家4人の日本通過ビザを発給された。この時のビザで約6000人の命が救われたとされる。

 手紙では「政府の命令に背き、良心に従った杉原さんがいなかったら、私たちの誰も存在しなかった。私たちが歩み続けた暗い道の中で、杉原さんの星だけが輝いていた」とつづり、ミローさんの子孫も含め16人分の感謝を伝えている。

 同記念館ではこの手紙や、同封されたミローさんの家族の写真を展示。寄付金は記念館の運営に充てられる。

 同町地域産業課の山田和実係長は「今も感謝の気持ちを頂き、郷土の人間としてあらためて杉原さんの行動を誇りに思う」と話した。

 (安藤恭子)

 

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