Thu, July 30, 2009

Cartier   トリニティリング   第3話

テーマ:My Love Story
あの日も蒸し暑かった。
雨上がりの午後は、日差しの強さと辺りに立ち込む熱気のせいで、
しばし私の意識を遠のかせ、時に思考回路を停止させる。


「お、リミ、母屋から包丁借りてきてくれ、直也がスイカ持ってきたんだ。冷えてるうち食おうぜ~」

「スイカ?おーおーいいねえ、待ってて、今持ってくる♪」




「あ、この間の期末、英語95点だったぞ」

「お~すげえじゃないか!やっぱり教え方がいいんだなあ~」

「ちげえよ、私がかしこいんだ。やはりデキがイイ♪」

「wwww・・・・・で、その5点マイナスは何なん?」

「ああ、ありゃあ、簡単なミスだ、私は見直ししないからな」

「見直しくらいせい!まあ、なんでもいいけど、英語だけは勉強しとけよ。語学ができるとな、仕事にも生かせるが、なんていっても視野が広がるんだ、世の中いろんな人間がいるからな」

「わかってるよ、説教すんなじじい」

「なあ、美樹はいないんか?」

「姉ちゃん?さっき出てったよ」

「なんでだよお、美樹がスイカ食いたいっていったから、重たいのにわざわざ持ってきたのによお」

「なに、おまえ、美樹に惚れてんの?無理無理~」

「やっぱり彼氏には勝てんかのお、あううう美樹ちゃあああん」

「姉ちゃん、モテルからな」

「ええええ?俺じゃあ攻略できん?」

「おまえじゃ、無理無理。いいからちょっと、早くバラセよ!せっかく冷えてんのに暖まっちまうじゃねえか」

「・・・ったく口が悪いなあ、美樹とは大違い」

「姉ちゃんと比べんなボケ」

「まあいい、おまえはなまじっかかわいい顔してるから、言い寄る男はいっぱいいるだろう。
 おまえの口の悪さとプライドの高さは、外見だけに惑わされる男の防御になる。
 普通の男はそんなおまえに太刀打ちできず逃げ出すのがオチだ。
 それでもおまえのことを想ってくれるヤツが本物だ。いつかそんな男がきっと現れる」


「・・・・・・」

「でもな、強気なのはいいが、ホレた男の前だけでは、カワイイ女でいろよ。いくらホレタ女でも、ボケだのクソだの言われたら、男はへこむからな」

「・・・・・ふーん・・・」

「あれ?なんか顔、赤いけど、何テレてんの?」

「うるせー暑いんじゃい!さっさと食え!ぶつぶつ説教ばかりしやがって! 暑苦しいんじゃあ!もっと切れ、はやく!」

「ううう、美樹のためにせっかく買ってきたのに~」

「wwwwwww」




・・・・・・・。


どうやら私は、この説教男が好きなのかもしれない。


 

コメント

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1 ■無題

なんだ?
フライデーだけに
熱愛発覚か?

2 ■無題

あら~リミちゃん。
女の子になちゃってるう ♡ 

3 ■無題

・・・・・。

4 ■Re:無題

>Rimiさん

きゃ ♡ リミちゃんがテレてる!かわいい!

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