Mon, August 31, 2009

Chapter 4 静かなるプライド - Hideto Kanda -

テーマ:Bad Company

神田 秀人(マゾ犬 手下)・・・3年目の手下。25才。Blood type A
以前のマゾ犬。しかし最近やけになついてくるので手下(いぬ)に昇格させた。部内唯一の国立大出身。
気が弱いが語学が堪能。正義感も強い。最初は私も敵意剥き出しで接していたが、それが逆に心地良かったらしい。故に当初は『マゾ犬』と呼んでいた。ちょっと刑の素質がありそうだ。でも悪い奴では無い。目線も私のカラダを見ている気配は無い。

さて、こいつは同じ歳の国立大卒社員である。私立大(主にマーチ)の採用が多い中、唯一の国立T大出(東京大学ぢゃ無いよ。んなバカな(笑))である。まあ、なにを持ってウチに来たのか不明ではあるが、やる気があるのか無いのか、簡単な業務しかしてなかった。
彼より2年先に私は既に入社しており、会社では私の方が先輩である。
通常は3年も経てばいくら私が「天才高卒」だからって言っても、彼は国立大出てるんだから立場的には上に行ってもらわないといけないのだが、今ひとつやる気が無かった。
なので1年程前から私は彼に檄を飛ばす意味でも、遠慮なくそして容赦なく、仕事という物の本質を叩きこんでいるのである。
しかし、それがさらに彼のプライドを傷つけているようでもあった。

決して根暗な奴では無い。そしてバカ安藤のように軽率で変態でも無い。

静かなプライドのぶつけ先を、いつも待っているかのようにも見える。
都合良く捉えてあげればそんな感じなんだが、これまでに何度か反抗してきたこともあった。
その時の彼のある一言で私は激怒し、彼に「マゾ犬」レッテルを貼り付けたのだ。

1年前のある出来事・・・。
事の発端は、社内ファイル管理サーバーの異常が起こったことからだった。
セクハラ係長の第一声から。

「里美君。共有サーバーのファイル見れないんだけど。書類間に合わないよ!何とかして~♪♪」

(・・オマエが何とかしろよ、ハゲ!)ちょ、神田君。通関書類が必要なんで一から興してよ。過去の綴じたファイル見れば分かると思いますので。」

「ハア・・・。」

「ハア・・・って。何なのあんたソレ?私がやっても良いんだけど、ちょっと他にもやる事があるし、あんたまだ作った事も無いでしょ?エクセル・ワードが出来れば簡単なんだから。」

「じゃあ、やってみます。でもチェックはして下さいよ。」

「あ?チェック?自分でしろよ。テキスト作るだけならヘルプ呼べば事足りるんだよ。自分が責任者になったつもりでやれよ。ったく。」

「だってこの手の作業って女性の方が得意でしょ?その方が効率がいいのかなと思って。」

「(・・・こ、このクソバカ。)書類も興せない奴が、ましてや、やってみようと思えない奴がえらっそうな講釈垂れてんじゃないよ!なにが効率だ!何が”女の方が得意”だ!だったらあんたは何の仕事をするって言うんだよ。給料も私よりあんたの方が高いんだぞ。プライド無いのか!?え?」

「(・・・怖えー、世の中いるんだな真性Sって。。汗)・・・い、いえ。すみません。自分でちゃんとやります。」

「よろしい!」

「おいおい里美ちゃん。男に対してそういう言い方は無いだろう?もうちょっと普通に言えないのか?・・・もうガマンできないから言わせてもらうが、君はちょっと言葉遣いが悪すぎる。みんなガマンしてるんだ。女は女らしい言葉を使いたまへ!」

「なんだあんた横からしゃしゃり出やがって。しかも女だから~なんとか??(爆!)
普通に言っても、あんたら全然分からないじゃないの(笑)。
実際、見た目があんたらよりか弱くて、で、小さいし、で、可愛いからって(爆笑)
なんであんた等のそのイメージどおりにならなきゃいけないの?ウケルんですけど~(大爆笑)))

・・・・ふん。じゃあとりあえず落ち着こう。

じゃあ実際さ、これ放っておいたらどうなるの?あんたらやるの?できるの?
私がもし今ここで死んだら?

誰かがやってくれるの?私もね、カラダは一つしか無いんですよ。え?
他にやる事あるわけ。それもさ、やらなきゃイケナイ事はぜーんぶ朝礼で言ってるでしょ?
あんたらなんの為に朝礼してるの?自分の仕事こなしたらそれでおしまいなの?手伝いもしないじゃない。
で?部下は?誰が育てるの?神田は?愛ちゃんは?

あんたら誰も面倒見てないじゃない。教えてる間は仕事進まないちゅうの。
それをしたくも無い残業をしてこなしてやってるちゅうの!あんたらはさっさと帰ってるけど。
で?なに?私の言葉遣いの注意?(笑)
・・・・・
お前らどいつもこいつもア・ホ・か!!い・い・加・減にしろ!!

「う・・・・(全然落ち着いてないし。怒りながらここまで言う奴初めて見た。。しかし声デケェ!(苦笑 + 汗)(^_^;))」

突然拍手が沸き起こる・・・
発信源は・・・・やっぱり”かおりん”だった。

「(パチパチパチwwww)里美ちゃんの言うとおりよ。男共め!あんたら情けないね。ムチで引っ叩いて進ませないと出来ないのかな?望むところですけどね(笑 + 殺気)」

「・・・・・。(ウヒャ~!いたの?(苦笑))」

物静かだが、何かハクがあるのが”かおりん”。ホントに怖いのはこの人ですよ。

「(や、やヴぁい!)す、すみません!ボクのせいで。と、とりあえずやらさせて頂きます!」

「”とりあえず”,だァ?」

「い、いえ。こ、これはボクの仕事です。何時になっても終わらせます!」

「よろしい(微笑)・・・・ん?」「ん?」

「アーッハッハッハッハ(注・安藤の笑い声←強烈なバカ)wwなにこの動画スゲーww
超爆笑wwwwwニコニコ動画っておもしれ~(涙涙www)最高~♪。
松岡○造が一休さんになっちゃってるよwwwww
DA~DA~フ・ジ・サ・ンDA~!!だって~ウゲェーwww(何人だよオマエ。。。)


「ぬおおお!!!貴様は地獄に堕ちろ~!!北斗!有情猛○破!!!」

「ひ!ひ・で・ぶぅ~っ!!!!(ボカ~ン!)」

「貴様には地獄すら生ぬるい!(ボーナス確定!みたいな♪)

(※なぜ聖帝サ○ウザーを倒した技でハ○ート様を?で、キメゼリフはジャ○ギ用?って突っ込みはなしで。”かおりん”の迫力を伝えたかっただけです。)


で、この日は結局夜の10時まで掛かってしまい、二人仲良くご飯食べて(毎度~居酒屋”金”♪)帰ったとさ。しかも私の奢りですよ(領収証はもちろんGET!)。

「あんたさー。なんであんなやる気の無い言い方したの?何かあるの?」

「いや。実際大学まで出たのはいいんだけど、それが生かせないっていうか。マニュアル通りだったら出来ると思うんですけど。実際会社ってそんなもんだって思ってましたし。よく分からないんです。」

「・・・。そりゃマニュアルもあるよ?でもさ、外国人相手だし、何があるか分からないじゃない。そんな時マニュアル通りに何かできる?出来ないと思うけど。数をこなすしか無いと思う。でも、キモチが前に向かなきゃソレも無理。」

「その通りだと思う。で、里美さんは何で?何でそんなにがんばるの?(酒のせいでタメ口。。ま、いいや))」

「もちろん!将来社長!会社興して金儲けしたいからだ!。。お金だけじゃないけどね。風を切って生きる生き方が好き。」

「(この人、男に生まれてりゃもっと凄かったんだろうな。)・・・・。」

「あんた今、”この人は男に生まれたら良かったのにな”って想像してたでしょ。」

「!!!!。(え?何で?何で分かるの?)い、いや、そんな。そのままでいいと思います(敬語に修正。。。)。」

「とりあえず、あんたにはまだ変なプライドがあるね。それが消えるまで、あんたは私の手下だ。マゾ犬だ!いいな!」

「ハイ♪ワンワン♪」

・・・マゾ犬の誕生である。


プライドも陽の性質の物、陰の性質の物がある。
陰を引きずっていても、現場では何も使い物にならない。おそらく学生まで「よしよし頭のいい子ね~」で来たのだろう。確かな根拠、そして確かな自信で作られる陽のプライドはとても大事だが、陰のプライド、いわゆる腐ったプライド程生きていくのを邪魔するものは無い。

ここでちょっと逸れるが、私は言いたい。

学校で、そして家庭で、なぜ世間の厳しさというか処世術を教えないのだろうか?とりあえずとりあえずで済ませて、いつのまにか大人になった。そして会社で淘汰され、落ちこぼれや自殺者を増やす。
社会での生き方は勉強が出来ることではなく「如何に前向きに物事に取り組めるか、好奇心を育てるか」だ。でないと諦めばかりの人生になってしまう。ガマンばかりの人生になってしまう。
私はそう思う。他にもまだまだ言いたいことは山ほどある。


ところで、神田君にはちゃんと愛情もあるんですよ(恋仲っちゅう意味じゃないですよ)。
例え仕事と言えども、愛情が無ければ立派には育ちませんことよ(笑)


それを勘違いしているのが、前述(番外編)の速水恭子であると付け加えておこう。

to be continued....

コメント

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1 ■無題

長っ(汗)

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