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精神医療検討会、報告書案を大筋で了承

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 厚生労働省は9月17日、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の第24回会合を開き、約1年半の議論をまとめた報告書案を大筋で了承した。報告書は、事務局が修正を加えた上で、来週をめどに長妻昭厚労相に提出される予定だ。

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 厚労省は2004年9月、「精神保健医療福祉改革ビジョン」を策定。改革ビジョンでは、基本的な方策の「入院医療中心から地域生活中心へ」を推進するため、国民の意識の変革や精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を10年間で進めるとしている。今年9月が10年間の中間点に当たっており、報告書案は後期5か年の重点施策の策定に向けて意見をまとめている。

 報告書案は、▽我が国の精神保健医療福祉施策の沿革▽精神障害者の状況▽改革ビジョンの後期重点施策群の策定に向けて▽精神保健医療福祉改革について▽今後の課題―の5章で構成。後期5か年の重点施策については、(1)精神保健医療体系の再構築(2)精神医療の質の向上(3)地域生活支援体制の強化(4)普及啓発(国民の理解の深化)の重点的実施―の4つを柱として掲げている。

 (1)では、▽入院医療の再編・重点化▽疾患などに応じた精神医療等の充実▽早期支援体制の検討▽地域精神保健医療提供体制の再編と精神医療の機能の強化▽精神科医療における従事者の確保―の5項目を改革の具体像として提示。
 (2)では、精神科領域の専門医制度の定着を図ることなどにより、医療従事者の質を向上させることや、研究開発をさらに推進することなどを挙げている。
 (3)では、「地域生活を支える医療機能の充実・強化」として、精神科救急医療体制や精神保健指定医を確保することや、訪問介護などの在宅医療を充実させることなどを、「障害福祉サービスなどの拡充」として、住まいの場の確保や精神障害者・家族の視点に立った支援体制の充実などを挙げている。
 (4)では、「精神障害者自身が、自らの疾患や病状を正しく理解し本人の望む地域生活を送ることができるよう、精神障害者同士のピアサポートの推進等を通じた精神障害者本人への啓発を推進すべき」などとしている。

 また報告書案では、統合失調症の入院患者数を約15万人にするとの新たな数値目標を設定。認知症に関する目標値も11年度までに具体化する方針だ。また、改革ビジョンに盛り込まれている、▽各都道府県で入院が1年未満の患者の平均残存率を24%以下にする▽1年以上入院している患者の退院率を29%以上にする―の2点を引き続き掲げている。


更新:2009/09/17 21:50   キャリアブレイン

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