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ガソリン価格の下落期待 暫定税率廃止、業界歓迎

2009年09月09日

 衆院選で圧勝した民主党が暫定税率の廃止を打ち出し、鳥取県内でも関連市況への影響が出そうだ。ガソリン卸価格の下落が予想され、燃油高騰で苦しんできた業者は巻き返しを狙う。自動車業界では、存続が微妙となったエコカー減税の行方を見守る一方、関連税の軽減などを背景に需要拡大への期待感が高まっている。

トラック会社の車両が行き交う国道9号。民主党が打ち出した暫定税率の廃止が業界に波紋を呼んでいる=鳥取市賀露町

 「廃止にマイナス要素はない」。県東部の燃料会社の社長(55)は言い切る。揮発油税の暫定税率が廃止されると、ガソリンは1リットル当たり約25円値下げされる計算。同社が鳥取市などで展開するガソリンスタンドの店頭価格は大きく下がる見通しだ。

 業界の売り上げは、エコカーの普及などを背景に減少傾向が続いていた。廃止によって10%以上の収益増を見込む同社。社長は「割安感によって買い控えていた人たちの需要が確実に増える。業界は息を吹き返す」と力を込める。

 深刻なガソリン高騰の影響で、経営の圧迫を強いられていた鳥取市内の運送会社も売り上げは減少を続ける。経営者(42)は「ガソリン代の下降分がそのまま収益につながり、いずれは消費者に還元されていく」と歓迎ムードだ。

 暫定税率は運賃に含まれ、トラック業者が燃料購入時に課税されている。業界から見れば、暫定税率の撤廃は運賃に含まれた部分が目減りする公算で、多くの事業者は肯定的にとらえている様子だ。

 しかし、鳥取市内に本社を置くトラック会社の社員(42)は「あまり歓迎できない」と困惑気味。軽油の税率が下がれば、燃料費負担が減るため、運賃の引き下げ圧力につながると懸念する。

 一方、暫定税率が廃止された場合、今年4月から自公政権が導入したエコカー減税の継続は難しいとの見方が広がっている。暫定税率は、減税の対象となっている自動車取得税や重量税などに上乗せされているからだ。

 鳥取市内のカーディーラーでは、新車の登録後に減税を申請し、商品の引き渡しまでに約1カ月間。店員(40)は「顧客に『減税になります』と言った後で税率が廃止されたら、何と言い訳したらいいのか。政府は不透明な部分を早急に示してほしい」と訴える。

 ただ、関連税の廃止によって車の維持費や購入費が下がり、鳥取市内の自動車販売店では「新政権ではお買い得ですよ」とうたって商談中。同店では、税率廃止が追い風となって売り上げ増を予想している。



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