内舘委員ダメ出し 朝青“ダメ出し”
<秋場所・5日目>朝青龍(手前)の土俵入りの際、山田洋次委員(中央左)に耳打ちする内舘牧子委員
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横綱審議委員会による恒例の場所総見が行われた大相撲秋場所5日目(17日、両国国技館)、横綱・朝青龍が旭天鵬を一気の寄り切りで下し、全勝を守った。横綱勝利数を歴代6位の430勝とし復調気配を漂わせた朝青龍だが、横審各委員の評価は辛口。内館牧子委員からは稽古不足による失速を指摘された。白鵬も38秒の大相撲の末に把瑠都を退けて5連勝。大関・琴欧洲、琴光喜と平幕の鶴竜、将司も全勝を守った。
背中に“天敵”の鋭い視線を感じていたのか、朝青龍の体内には激しい闘志がみなぎっていた。まるで内館委員と対峙(たいじ)しているかのように、モンゴルの大先輩・旭天鵬を気迫で圧倒。頭から激しく当たって先制し、左を差し込んで頭をつける。満を持して前に出ると、最後はつり上げながら右腕で相手のほおを突き放す荒技まで披露した。
場所前の稽古総見などで稽古不足を指摘されながらも抜群の集中力で5連勝。4場所ぶりの賜杯に視界が開けてきたが、横審各委員の評価は辛口だった。沢村委員は「ここまでの相手が相手だからね。勝って当たり前だから」とばっさり。内館委員には「稽古していないから、どこまでも不安。土俵入りも元気がないように見えた」と心配までされた。もちろん、内館委員の毒舌はこれだけでは収まらない。「万全とは思えない。沈黙よりまず稽古しろと言いたい。まずは死に物狂いで1年間、稽古。15日間、突っ走るとは思えない」と後半の失速まで宣言した。
周囲の批判の声にさらされながらも、ここまで21連勝中だったカモを退け、横綱勝利数が歴代6位の430勝に到達。よほど機嫌が良かったのか、沈黙を貫いていた朝青龍が3日ぶりに正面を向けて取材に応じた。質問にも再三うなずきながら「立ち合いがいい。頭で行っているからね」と満足顔で分析したまでは良かった。話題が横審になると様相が急変。「横審は気になりましたか」との問いにも「気になるわけねーだろ。相撲やってるのに。初耳だよ。初耳」と不機嫌そうに話した。
内館委員はこの日、今場所中の観戦を明言した。もしスタミナ切れで優勝を逃したとあれば、“天敵”からの激しいしっ責が待ち受ける。“第1ラウンド”は面目を保ったが、朝青龍の本当の勝負はこれからだ。
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