Jリーグ優勝2度、ナビスコ杯優勝3度の名門が、Jから消える可能性が高まった。15日のJリーグ理事会で東京Vの筆頭株主が日テレから、クラブの前身である読売クのユース出身者を中心に7月に設立された持ち株会社・VHDへ変更されることが承認されたが、11月16日までに来年度のスポンサー料収入5億4000万円を確保するという条件がついていた。
「できなければ退会ということ」とこの日、鬼武健二チェアマン(69)は説明した。09年の運営費用については日テレが責任を持ち、退会となっても今季のJ2リーグ戦を全うすることなども条件となった。
巨額の資金確保についてJリーグの羽生英之事務局長(45)は「VHDから事業計画書をいただいた上での判断」とし、「(具体的企業などの)見通しについても聞いたし、確保したものもあると聞いている。精いっぱい努力してほしい」と話した。だが、昨今の世界的不況の中、財政基盤を確保するのは現実的に厳しいとみられる。
クラブ創設40周年の節目の年にめぐってきた皮肉な危機。鬼武チェアマンは「(下部の)JFLも地域リーグもあり、消滅するかどうかは東京Vの判断」としたが、これを回避する手段は見つけられるのだろうか。