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会見一元化:「次官以外は現状通り」閣僚、次々修正?

 鳩山新政権が打ち出した事務次官による記者会見の廃止方針に関し、廃止対象に記者懇談会やブリーフィング(記者への説明)なども含むとされた問題で、各閣僚からは17日、「事務次官会見以外は現状通り続ける」といった軌道修正とも取れる発言が相次いだ。一方、気象庁などでは長官クラスの会見が中止され、記者クラブ側が抗議文を渡した。

 長妻昭厚生労働相は就任後初の厚労省での会見で、事務次官以外の会見は現状通り続ける考えを表明した。元経済誌記者の長妻氏は「(マスコミが)取材で問題点をいろいろ明らかにしてくれるのはありがたい。広報室長と打ち合わせし、(官僚への)取材は今までと変わらないと指示をした」と述べた。事務次官会見については「一時凍結で、今後どうするかは内閣と相談しながら決める」と話した。

 北沢俊美防衛相も就任会見で「政治向きの話は大臣、実務的なこと、国民に明らかにした方が良いものはそれぞれ担当がやればいい」と述べ、従来通り統合と陸海空の各幕僚長、報道官による定例会見を継続する考えを表明した。次官会見は他省庁と同様、取りやめる方針という。

 北沢防衛相は「政府の出したのがいささか誤解を生むようなところもあった」と説明した。一方で「国の防衛、例えば日米同盟とかは新しい見解を官が発言するのは行き過ぎ」とも述べた。

 前原誠司国土交通相も会見で「次官らの発言を封じるのはおかしな話。絶対会見してダメということではない」と発言。大臣への事前通告を条件に、必要に応じて幹部の会見を認める考えを示し、「内閣としての統一見解をまた出す」と説明した。

 一方、17日に予定されていた長官会見が中止となった気象庁。気象庁記者クラブは長官に対し、「国民の知る権利の制限にもつながる問題で、とうてい承服できない」として抗議書を渡した。消費者庁でも長官会見が中止となり、記者クラブは18日に抗議文を出すことにした。

 防衛省沖縄防衛局は、17日午後2時から開催予定だった局長の定例記者懇談会を中止した。これについて防衛省は「事務次官の会見以外は原則として認めるという大臣の意思が伝わる前の決定だった」と説明した。

 ◇新聞労連も抗議

 事務次官の定例会見廃止問題で、日本新聞労働組合連合(豊秀一委員長)は17日、「会見は政策形成過程を国民に明らかにするうえで不可欠な取材の場だ。時の政権の意向で一方的に廃止することは、知る権利を制約する暴挙だ。速やかな撤回を求める」とする抗議声明を発表した。【臺宏士】

毎日新聞 2009年9月17日 23時50分

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