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市民がヒートアイランド調査、町歩いて温度変化探り/川崎
- 暮らし・話題
- 2009/09/04
地域住民らが温度計を片手に町を歩き、ヒートアイランド現象の実態を調べる調査会が4日、川崎市高津区で開かれた。参加者は区内各地を巡りながら、地点ごとの温度差を実感していた。同区と首都大学東京都市環境学部の共催。
ヒートアイランド現象は、人間の活動や建物の立地などにより、都市部の気温が高くなる現象。調査は、区民とともに環境問題に総合的に取り組む同区の「エコシティたかつ」の一環で、市内初の試みとなる。8月10日の未明には第1回の夜間調査を行っており、今回が2回目。
この日の調査会には、区民や区役所職員、同大学の学生ら約20人が参加。8グループが同区役所を出発して前回と同じルートを歩き、温度計と衛星利用測位システム(GPS)を片手に場所による温度変化を測定した。区役所から緑の多い梶ケ谷地区へ向かうルートでは、坂を上って木陰に入った途端、温度が約1・8度低下。緑の冷却効果を実感しながら町を歩いていた。
参加者が持ち帰ったデータはその場で集約され、地図上に各地点の温度を表示。集まったデータから、大きな駅のある溝口地区は温度の「日較差」(一日の温度差)が小さいこと、幹線道路の交差点は温度が高いこと、昼間の方が地点ごとの温度差が大きいことなどが明らかになった。同大学の饗庭伸准教授は「高津区には住宅地や多摩川、緑地などさまざまな特徴の地区があり、ヒートアイランド現象を分析するには興味深い地域」と話す。
参加した同区の専門学校講師、伊中悦子さん(59)は「緑地や風通しのよい場所は涼しいということを、データで確かめられて楽しかった」と話した。
調査は今冬にも行われる予定で、同区は「調査で得られたデータを、区のまちづくりに生かしていきたい」としている。
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