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多趣閑言:政治変えられると実感 /静岡

 衆院選は、事前の情勢調査通り民主党圧勝だった。「保守的」と言われる静岡県でも、自民党が小選挙区で議席を失った。07年7月の参院選で第1党となった民主党の小沢一郎代表(当時)が「今の民主党には政権を担当する能力がない」との理由で、福田康夫首相(同)と自・民大連立構想に動いたのは、その年の11月だ。それから2年弱。この結果に最も驚いているのは、小沢氏自身ではないだろうか。

 4年前の郵政選挙の「自民圧勝」の逆ともいえる極端に偏る選挙結果を受け、小選挙区制を批判する声もあるが、そうは思わない。小選挙区だから起こりえるドラスチックな変化で、政治に取り組む者にとってはこれほど励みになることはないだろう。有権者にとっても一票が新しい政治体制を生む手応えを実感できたはずだ。

 今後の問題は、小選挙区制で生まれた政治体制がどう機能するかである。最も期待するのは、2大政党が競い合うことによって、多くの分野で情報公開が進むことだ。

 例えば官僚組織。政権交代で政治家が監視を強化すれば、政治家と官僚が「なあなあ」ではなく、一定の緊張関係を保つことになる。不正を指摘される機会がこれまでより増えるだろう。政治家自身の不祥事や不正も徹底的に洗い出さなければ、その政党が受ける被害は甚大である。

 政治体制の環境が整えば、問われてくるのは政治家自身の能力だ。前回も今回も「●●チルドレン」という、これまで政治に縁のなかった人が国会に送り出されることになった。政治家としての能力に疑問符の付く人も少なからずいるが、これも真の意味での2大政党制が定着するまでの過渡期とみたい。

 政治家を選ぶのは有権者だ。我々自身が賢くなれば、日本の将来をいいものにできる。今回はそれを実感できた。【静岡支局長・照山哲史】

毎日新聞 2009年9月1日 地方版

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