強制連行、二審も原告敗訴 国と企業の不法行為は認定戦時中に中国から強制連行されて長野県内で重労働を強いられたとして、中国人の元労働者や遺族が国と建設会社4社に計約1億4千万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は17日、請求を退けた一審長野地裁判決を支持、中国人側の控訴を棄却した。 中国人側は上告の方針。訴えた7人のうち6人は既に亡くなり、遺族が訴訟を引き継いだ。4社は鹿島、熊谷組、大成建設、飛島建設。 青柳馨裁判長は「日中共同声明(1972年)で中国人個人の賠償請求権は放棄され、裁判で行使できない」という2007年4月の最高裁判断を踏襲、請求を退けた。 不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」や、国家賠償法施行前の国の行為に賠償請求できないとする「国家無答責」の法理の適用など、一審が採用した国の主張については判断しなかった。 ただ、国と企業の責任については一審判決同様「強制的に連行し労働させたのは共同不法行為に当たる」と指摘。「これらの行為が国際人道法に違反するとの主張にはうなずける面もある」と原告側への理解も示した。 【共同通信】
|