県土木部の職員が15日、飲酒運転をして人身事故を起こしたとして道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで松山東署に現行犯逮捕され、県は同日、土木部幹部が記者会見し、陳謝した。土木部では別の職員が07年12月に飲酒運転をしたとして翌年1月に停職処分となり、綱紀粛正をしたはずだった。県は各部局の主管課長らを集めて緊急に会議を開くなど対応に追われた。【古谷秀綱、津島史人、村田拓也】
発表や同署によると、逮捕されたのは県土木部管理局用地課員で県土地開発公社今治用地事務所に派遣され係長をしている松山市溝辺町の武智正能容疑者(50)。逮捕容疑は15日午前0時5分ごろ、同市紅葉町の国道317号で酒気帯び状態で乗用車を運転し、自転車に接触し男性(31)にけがをさせた、としている。同署の調べでは、武智容疑者は14日午後10時ごろから帰宅前に同市内の飲食店で焼酎をロックでコップ5杯ほど飲み、自宅へ帰る途中だったという。
県庁では15日午前、事故を受けて俊野健治・土木部管理局長と松岡正利・用地課長、石川孝夫・人事課長が記者会見。俊野局長は「二度と飲酒運転を起こさないよう強く指導してきたが、このような事件が発生したことは誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます」と陳謝。改めて飲酒運転根絶と交通ルールの順守を徹底し信頼回復に努めたいと述べた。また、石川人事課長は、分限・懲戒委員会で審査して厳正に処分したいとした。
県が各部局の主管課長を集めて15日に県庁で緊急に開いた会議には14人が出席した。東倉勝利・総務部管理局長は「飲酒運転の禁止を周知徹底して、再発防止策を講じてもらいたい」と話した。
東倉局長は「公務員の飲酒運転が続発して、全国的にも風当たりが強くなっている」と述べた。その上で「くどいぐらいに周知徹底を繰り返して飲酒運転が絶対に起こることのないようにしてもらいたい」と指示した。
加戸守行知事は15日、報道陣の取材に応じ、「大変残念な思い。一昨年も酒気帯び運転の事例があり、周知徹底したつもりだったが、意識の点で欠くところがあったのかなあと反省もしている」などと述べた。そして「飲んだら乗るなという常識を、徹底させて、県民の信頼を取り戻したい」と語った。
毎日新聞 2009年9月16日 地方版