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遭難した仲間の遺体探して10年「最後の1人に再会したい」 (3/3ページ)
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小林さんは、パートナーを引き受けてくれた明永村村長のチャシさんとともに捜索を続ける。集めた遺品は1トンを超えた。10年間の捜索が与えた変化は大きい。「聖山を汚した者」として敵視していた村人との交流も芽生えた。チャシさんの長女、ペマツォモさんは今年から日本に留学している。
一方で、捜索活動の終わりが近いことも感じる。氷河は予想以上のスピードで解け、600メートル近く後退した。遺品が川に流れ込んでいる形跡もある。昨秋には頭蓋骨の一部が見つかり、DNA鑑定中だ。最後の1人と判明するのか、それとも…。
「大きな節目は確実に来る。でも、区切りとは言いたくない」
小林さんはこれからも聖なる山を撮り続け、御霊(みたま)と触れ合っていきたいと考えている。
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■梅里雪山遭難事故
平成3年1月3日、梅里雪山(中国・雲南省、標高6740メートル)への初登頂を目指した日中合同学術登山隊が標高5100メートル地点で消息を絶つ。捜索活動が行われたが、日本人メンバー11人、中国人登山家4人、地元協力員2人はいずれも見つからず、日本の海外登山史上最悪の事故となった。これまでに医師、清水久信さん=当時(36)=を除く16遺体を確認。梅里雪山は今も未踏峰のまま。明永村を含む一帯は15年、世界自然遺産に登録された。
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