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遭難した仲間の遺体探して10年「最後の1人に再会したい」 (1/3ページ)
平成3年に日中合同登山隊17人が消息を絶った中国・雲南省の未踏峰、梅里雪山(標高6740メートル)で、遭難した仲間の遺体を捜し続けている男性がいる。京都大学山岳部OBで写真家の小林尚礼(なおゆき)さん(39)。捜索活動は今年で10年目。これまでに16遺体が見つかったが、遭難現場の氷河が解け出し、遺品が川に流出するなど、捜索は年々難しくなっている。「最後の1人もできることなら見つけ出したい」。小林さんは26日から“節目の捜索”に着手する。
(滝口亜希)
「登山隊との交信が途絶えた」。大学3年生だった小林さんに知らせが届いたのは、正月休みを終えて京都へ戻った直後だった。
梅里雪山の初登頂を目指した登山隊には、京大OBを中心とした日本人11人と中国人登山家らが参加。2年12月に登山を開始したが、翌年の1月3日夜の交信を最後に音信は途絶えた。後の調査で、標高5100メートル地点にキャンプを張っていた登山隊を大規模な雪崩が襲ったと結論付けられた。
日中から救援隊が向かったが、悪天候に阻まれ、約3週間後、誰一人戻らないまま捜索は打ち切られた。
行方不明者の中には、山岳部でともに活動に励んだ同級生、笹倉俊一さん=当時(21)=や、登山の醍醐味(だいごみ)を教えてくれた先輩もいた。捜索打ち切りを告げるため笹倉さんの実家を訪れた小林さんに、両親が明るくふるまいながらも、ぽつりとつぶやいた言葉が忘れられない。
「21年の短い人生でした」
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