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【サッカー】東京V 日本テレ撤退2009年9月17日 紙面から J2・東京ヴェルディの運営会社「日本テレビフットボールクラブ」は16日、日本テレビ放送網が保有する同クラブの全株式を、「東京ヴェルディホールディングス」に譲渡することを発表した。同クラブの経営からは98年に読売新聞が撤退し、そして今回は日本テレビも。1969年に読売クラブとして誕生した名門クラブが大きな岐路を迎えた。 新たに東京Vの経営母体となった東京ヴェルディホールディングスは、読売クラブのOBが中心となって立ち上げた持ち株会社。資本金は2000万円で、同クラブのユースチーム出身の崔暢亮会長は「OBとしてなんとかクラブが存続してほしいという思いがあった。サッカーの質、魅力という面でもう一度、読売クラブの伝統、血を受け継いでいるといわれるクラブにしたい」と話した。同会長の説明では、今後も味の素スタジアムをホームとし、練習場もよみうりランド内の施設を借りて使用。チーム名、ホームタウンもそのままで、地域に密着していくという。 ただ、前途は多難だ。約30億円ともいわれる運営費をほとんど親会社の日本テレビが補てんするという放漫経営がもとで、今回の株譲渡という事態に陥った東京V。崔会長は「身の丈にあった運営をしなければならない。そこから着実に実績を積んでいく。選手年俸の総額も協議して決めていかなければならない」と明言しており、今後は育成を軸に強化していく。このため、今オフは大リストラを敢行し、スリム化と若返りを図ることは必至だ。 これまでの“企業丸抱え”経営からの完全脱却。スポンサーの確保など、課題は山積みだが、リーマンショック以降、企業がスポーツから次々に撤退していく中、日本で最初のプロクラブが、新たなスタートを切った。
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