覚せい剤取締法違反の罪で起訴された女優・酒井法子被告(38)夫婦のうち、夫の自称プロサーファー・高相祐一被告(41)が16日、保釈され、警視庁渋谷署を出た。同日、弁護人を通じて保釈保証金500万円を納付した高相被告は午後5時すぎ、集まった約150人の報道陣の前に姿を見せ「今回の件はすべて私の責任です」などと謝罪した。また、高相被告を乗せた車が同署を出発する際、見物していた40代の男性が革靴を投げつけ、車にぶつかるハプニングが起こり、渋谷署前が一時騒然となった。
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高相被告が、妻よりひと足先に保釈された。8月3日の逮捕から45日目だった。午後5時13分、高相被告が姿を見せると同時に、すさまじいフラッシュがたかれた。50人を超える警察関係者の厳戒態勢の中、グレーのジャケットに黒いジーンズ姿で現れると、かぶっていた帽子を指無し手袋をはめた手でとって深々と頭を下げた。
「今回の件に関しまして、すべて私に責任があり、自分が悪いと思っています。皆様、ご迷惑をかけて、不快な思いをさせてすみませんでした」。早口で話し終えると、もう1度頭を下げた。
報道陣からは「(酒井被告に)なぜ覚せい剤をすすめたんですか?」などと矢継ぎ早に質問が飛んだが、答えることはなかった。「申し訳ございません」と三たび頭を下げると、迎えの車に乗り込んだ。
ここでハプニングが起こった。渋谷署を出るために左折しようとした車に、見物の40代男性が革靴を投げつけた。「ゴツン」という鈍い音に、何事かと現場は騒然とした。高相被告の“謝罪中”も興奮気味に「高相、家族守れよ」と言葉を浴びせていた“犯人”を押さえようとする警察側と、撮影を試みる報道陣で大混乱。罵声(ばせい)が飛び交った。
男性は任意で署内に連行され“注意”を受けた。同署関係者は「(酒井被告の)ファンとは言ってないが“ファンかもしれない”とは言ってる。(そこは)ハッキリしないが、身元は判明した」と明かし、約1時間後には迎えに来た家族とともに帰宅を許可された。
靴をぶつけられながらも、高相容疑者を乗せた車はそのまま発進。しかし、10月21日の初公判まで身を寄せるとみられた都内の実家に、直接向かうことはなかった。追跡する取材陣の目をあざむくように途中、単身で下車したという。その後、行方をくらまし、車自体は新宿で長時間停車する“陽動作戦”を展開した。