現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. アジア
  5. 記事

金正日体制の「保証」検討 米韓、核廃棄が条件(1/2ページ)

2009年9月17日5時25分

 【ソウル=牧野愛博】米韓両政府が北朝鮮の核問題で、核の廃棄と引き換えに金正日(キム・ジョンイル)総書記を頂点とした北朝鮮の現体制の存続を認める案を検討していることがわかった。複数の6者協議筋が明らかにした。北朝鮮が望む「敵視政策の撤回」を具体化することで、朝鮮半島の非核化を実現しようという内容だ。

 権力の継承が進んでいるとされる金総書記の三男・正雲(ジョンウン)氏ら次世代の体制も含め、北朝鮮の指導部が最も重視しているはずの「体制維持」を保証することで、核廃棄を引き出すのが狙い。米国は作成中の「包括提案」の柱に据えるかどうか検討している。

 包括提案に「体制保証」を意味する文言を盛り込む場合、実際に北朝鮮を納得させる措置も併せて検討する見通しだ。05年9月の6者協議の共同声明に「米朝国交正常化」を目指す方針が明記されたことを踏まえ、朝鮮戦争の休戦協定から平和協定への転換や、大規模な経済支援などが盛り込まれそうだ。

 体制を保証する見返りとして、北朝鮮にはすべての核兵器と核関連物質、関係施設の海外搬出など「検証可能で完全な非核化」を求める。

 米韓両政府は、4月の長距離弾道ミサイル発射や5月の核実験の背景には、金総書記の権力継承を含む体制維持の思惑が強く働いている、と分析。金総書記も8月4日、訪朝したクリントン元米大統領に改めて、米国の「敵視政策」の撤回を求めた。

 北朝鮮にはシリアやイランのほかミャンマー(ビルマ)にも核開発で協力しているとの疑惑が浮上。核兵器の廃絶を目指すオバマ米政権は、さらなる核拡散を防ぐため北朝鮮の核廃棄を急ぐ考えを韓国政府に示している。

前ページ

  1. 1
  2. 2

次ページ

関連トピックス

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 中国特集