覚せい剤取締法違反(使用、所持)の罪で起訴され、保釈が認められた女優酒井法子被告(38)が15日、保釈保証金500万円のうち半額にあたる250万円だけ納付した。保釈金が一括して支払われないのは極めて異例。理由は不明だが、“金欠”説が浮上した。残る250万円は16日に支払う見込みで、納付されれば拘置されている東京湾岸署から保釈される。また東京地裁は同日、酒井被告の夫・高相祐一被告(41)の保釈を認める決定をした。保釈保証金は500万円。
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酒井被告は、トップアイドルとして人気を博し、ファッションブランドもプロデュースするなど逮捕前は順風満帆のはずだった。異例の保釈保証金の半額納付について、筑波大学の斉藤誠二名誉教授(77)=刑法、刑事訴訟法専門=は、デイリースポーツの取材に「お金がないんじゃないでしょうか」とズバリ指摘した。
斉藤教授は「そもそも、彼女レベルのタレントなら、(保釈保証金が)800万円から1000万円はいくと思われた。おそらく弁護士の意見を聞いて、資産状態が良くないということで500万円になったのでは」と酒井被告の経済状況を分析している。
酒井被告は覚せい剤の所持罪と使用罪に問われており、半額の250万円は所持罪の保釈保証金という見方もされているが、斉藤教授は「複数の罪で分けるということはまずありえない」と否定。さらに「保釈保証金は分割を受け付けていませんので、納付された半額も正式に受領されてはいないはず」という。
斉藤教授は今回の納付方法について「お金がないために半額を納付したうえで、残りは弁護人が『保証書』を書いて、それを保証金代わりにしてもらうというケースがあるので、それではないでしょうか」と、“窮余の一策”ともみる。ただ、保証書が認められるかどうかは裁判所の判断次第という。
「いずれにしても、普通ではちょっと考えられない。突き詰めると、やはりお金がないということになるのでは」と斉藤教授。夫の高相被告の保釈保証金も同額だが、こちらは両親が負担することが有力。酒井被告はもはや、頼れる味方も失っているのか…。