厚労相に長妻氏、行政刷新担当相には仙谷氏

　民主党の鳩山由紀夫代表（６２）は１６日午後の衆参両院本会議で第９３代、６０人目の首相に選出され、新内閣の顔触れを正式決定した。厚生労働相は長妻昭政調会長代理（４９）、財務相は藤井裕久最高顧問（７７）、経済産業相は直嶋正行政調会長（６３）、税金の無駄遣い根絶のため新設した行政刷新担当相には仙谷由人元政調会長（６３）を充てた。皇居での夜の任命式・認証式を経て、民主、社民、国民新３党連立の鳩山内閣がスタートする。

　首相は官邸で就任後初の記者会見に臨み「官僚依存を脱した政治を実践するための大きな船出だ」と強調した。

　このほかの閣僚人事では、副総理兼国家戦略担当相に菅直人代表代行（６２）、外相に岡田克也前幹事長（５６）、官房長官に平野博文役員室長（６０）を起用。沖縄北方・防災担当相兼務の国土交通相に前原誠司副代表（４７）を指名した。

　国民新党の亀井静香代表（７２）は金融・郵政改革担当相に、社民党の福島瑞穂党首（５３）は消費者行政・食品安全・少子化・男女共同参画担当相に充てた。

　総務相に原口一博氏（５０）、農相に赤松広隆氏（６１）、環境相に小沢鋭仁氏（５５）、防衛相に北沢俊美氏（７１）、文部科学相に川端達夫氏（６４）、法相に千葉景子氏（６１）、拉致問題担当も兼務する国家公安委員長に中井洽氏（６７）を決めた。

　鳩山氏は１６日夜の初閣議で、予算編成の基本方針を策定する国家戦略局の原型となる「国家戦略室」設置を指示。事務次官会議、各府省の事務次官会見を廃止し、府省の方針や見解の公式発表は、閣僚、副大臣、政務官からなる「政務三役」に限る原則も確認して「脱官僚」をアピール。

　記者会見で首相は、子ども手当やガソリン税の暫定税率廃止など家計支援策を早期に実施する方針を表明。これらの２０１０年度分の財源約７兆円については「十分めどが立っている」と強調した。０９年度補正予算の一部執行停止に関し、地方活性化事業は除く考えを明らかにした。

　１０年度予算の概算要求基準（シーリング）については「ゼロベースで考え直していきたい」とした上で、年内編成を目指す考えを示した。

　国家戦略室は、菅担当相の下に、内閣府副大臣や民主党政策調査会の職員が参加して構成。１０月下旬以降に召集する臨時国会で法制化し、年明けに国家戦略局に格上げする運びだ。

（2009年9月16日20時18分スポーツ報知）

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