2008F1シンガポールGP:ルノーF1の無線交信記録をタイムズ紙が公開
2009.09.16
2008年のF1シンガポールGPにおいて、ルノーF1チームがネルソン・ピケJrを故意にクラッシュさせたとする“シンガポール・ゲート”に関して、イギリスのタイムズ紙がレース中の無線交信記録を入手。これを公開した。
タイムズ紙が入手したピット(エンジニアリングディレクターのパット・シモンズ、マネージングディレクターのフラビオ・ブリアトーレ、他エンジニアら)とネルソン・ピケJrの間の無線交信記録は以下の通り。
──(レース中の無線交信から)
シモンズ:君に言えるのは我々が3ストップではないということだ。
シモンズ:それより前に彼(フェルナンド・アロンソ)を集団の前に出すつもりだから、燃費に関しては気にしなくていい。
ピケJr:今何周目に入った? 今何周目に入った?
ルノーのエンジニア:彼が「今何周目に入った?」と聞いています。
シモンズ:ああ、彼に8周目を終えたところだと伝えてくれ。
シモンズ:いや、彼はちょうど8周目を終えるところだ。ちょうど終えるところだと伝えてくれ。
──…………
シモンズ:よし。それでは……彼(アロンソ)が彼(ウイリアムズの中嶋一貴。アロンソの前を走行していた)をキャッチする前にピットストップさせるつもりだ。燃料ポンプの心配があるし、予定より1周少ないだけだ。ピットインさせて、40周まで行く。
──…………
シモンズからアロンソのピットストップ後、ピケJrのエンジニアへ:
よし。ネルソンをプッシュさせてくれ。もしネルソンが(ルーベンス)バリチェロをパスできなかったら、どこにも行く場所はない。この周でバリチェロを抜いてくれ。
ブリアトーレ:ピケJrにプッシュさせろ。
ピケJrのレースエンジニア:ネルソン、言い訳はできないぞ。バリチェロを抜かなきゃダメだ。お前には4つ分のストレートの優位性がある。さあ来い。プッシュしろ。抜かなきゃダメだ。
──数分後、ピケJrがターン17で激しくクラッシュ。
同時に複数の声:ネルソンがコースアウトした! この××野郎! レッドフラッグじゃないか? これは大きなクラッシュだ!
ピケJr:みんなすまない。コースアウトした。
エンジニア:彼は大丈夫か? 彼は大丈夫か?
シモンズ:彼に大丈夫かどうか聞いてくれ。
エンジニア:大丈夫か? 大丈夫か?
エンジニア:フェルナンドがちょうど今通過しました。
エンジニア:オーケー。イエローフラッグだ。
ピケJr:ああ、ヘッドレストに頭を打ち付けてしまったけど大丈夫だと思う。
エンジニア:了解した。
シモンズ:分かった?(音声不明瞭) 彼はストップした。
エンジニア:セーフティカー! セーフティカー! セーフティカー! セーフティカー! フェルナンド、セーフティカーだ! ミクスチャーのモードを3にしろ!
シモンズ:彼(アロンソ)に気をつけろと伝えてくれ。たぶんターン17だと思う。
エンジニア:この××ッタレ! デカいクラッシュだった。
ブリアトーレ:××いまいましい……まったく××不名誉なことだ。ヤツはドライバーじゃない。
シモンズ:フェルナンドは何番手で戻った?
エンジニア:20番手で戻りましたが、我々が最初にセーフティカーの背後につけそうです。
シモンズ:よし。我々は違う……
エンジニア:彼(アロンソ)は通過しましたが、彼は待たされているようです。
ブリアトーレ:このポジションをどう思う?
シモンズ:フラビオ、正直に言うとわからない。彼がどの位置にいるかによって正直変わると思う。
──
この無線交信記録からはブリアトーレ、シモンズがピケJrにクラッシュを指示したのかは分からないが、ルノーF1チームは16日、両名のチーム離脱を発表している。
©RenaultF1
©BrawnGP
©RedBull/GEPA Pictures
©RedBull/GEPA Pictures
©RenaultF1
©RedBull/GEPA Pictures
©RenaultF1
©Crash.Net
©Crash.net
©GP2
©Crash.net
©McLaren