物流・ロジスティクス

高速無料化で渋滞増加を懸念...喜べない運送事業者

 民主党の大勝利により、マニフェストに記載された高速道路無料化について、運送事業者から賛否両論が出ている。大手運送会社の幹線輸送を行う運送事業者は「現状でも土曜や日曜、祝日など休日割引の影響で渋滞に巻き込まれるケースが多い。ドライバーは、渋滞と不慣れな乗用車のドライバーの運転に、今まで以上に疲労を感じている」と指摘。

 さらに、「民主党議員がテレビで、高速道路無料化で輸送コストが抑えられるなどとコメントしている。現行でも運賃は安いのに、さらなるコスト削減が可能などというのは、運送事業者の厳しさを知らなさすぎる。無料化で景気が回復するとは考えにくい」と不満を漏らす。

 また、トラックなど100台以上保有する運送事業者は「環境問題や割引制度拡充などからETCを全車両に導入した。取り付けに1台1万円の経費を掛けている。厳しいなかでも設備投資しているのに、無料化にしますと言われて『はい、そうですか』と納得できない」とし、「無料になれば渋滞も増えて、運送事業者には何のメリットもなくなる。高速道路は有料だからこそ、一般道と高速道で通行のバランスが保たれているのに...」と、無料化に抵抗感を持っている。

 一方、無料化に賛成する運送事業者は「高速道は一般道と比較して、信号がないため停止する機会が少なくて無駄なアイドリングが減少し燃費が良くなり、環境にも良いと思っている。本来、高速道路は償却が終えれば無料化と言われていたが、全然無料にならなかった。だから無料化には賛成できる」と話している。

2009年9月16日
物流ウィークリー その他関連記事

物流・ロジスティクス業界転職情報

ドライバー募集ナビ求人情報

物流ウィークリー最新号

【総合】ゆうパックとペリカン便、統合のめど立たず
【総合】「インフル対策」消毒や検温でリスクに備える
【総合】着るだけで環境貢献「カーボンオフセットユニフォーム」
【総合】行政処分の厳格化で事業者から不満の声
【特集】各社のイチオシ「自動認識関連機器」
【関東】関ト協事業者大会に450人集結
【群馬】京浜港利用促進セミナー「内陸から始まる国際輸送」
【静岡】静ト協西部支部「雇調金」対象の教育訓練開始
【愛知】名古屋東部陸運「家族の描いたポスター」で事故防止
【大阪】泉州リクソウサービス「回送許可」取得で事業に幅を
【岡山】岡ト協「新大型車対応の自動車練習場」が完成
【社会】「公益」と「共益」問われるト協のあり方
【社会】事業維持するため車検切れで運行
【連載】仕事と家庭を両立「ブリンクスジャパン初の女性マネジャー」
【総合】「ヨロスト」適正価格にこだわるオンラインショップ