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更新日時 2008-09-17 15:00:02

『種の起源』発表から126年、英国国教会がチャールズ・ダーウィンに謝罪

【ロンドン 9月14日 IANS】英国国教会は15日、『種の起源』の著者である自然科学者チャールズ・ダーウィンに対し、公式サイト上で謝罪した―同著が発表された1859年当時、英国国教会はダーウィンの進化論を激しく非難していた。ダーウィンの遺族からは126年ぶりの謝罪に対し、「まったく無意味」との厳しい声も上がっている。英紙デーリー・メールが伝えた。

 英国では先週、王立協会に所属する生物学者で聖職者でもあるマイケル・ライス教授が、「創造説(訳注:進化に対するキリスト教の伝統的教義)」を「一つの正当な世界観」として学校の科学の授業で扱うべきだと発言し、大きな波紋を呼んだばかり。

 発表当時、ダーウィンの進化論は社会にまったく受け入れられず、大きな反発を受けた。1860年にオックスフォード大学で開催された討論会では、英国国教会のサミュエル・ウィルバーフォース主教の「あなたがサルから進化したと主張するなら、それは祖父の側からか? それとも祖母の側からか?」との質問に、進化論支持者のトマス・ヘンリー・ハクスリーが「わたしはサルを祖先に持つことを恥とは思いません。むしろ才能を持ちながら真実を覆い隠そうとする人物(訳注:暗に主教のことを指している)と血縁関係にあったら恥ずかしいでしょう」と答えたという。

 英国国教会は15日、ダーウィンへの謝罪文を含む記事を公式サイトに掲載している。以下は謝罪文の一部:

「チャールズ・ダーウィンへ。あなたの生誕から約200年を経た今、英国国教会はあなたの考えを誤解し、最初の対応を誤ったために、現在も偏見が消えない状況を生みだしたことを謝罪します」。

「あなたの名誉を回復するための戦いは、まだ終わっていません。問題の根源は宗教的な理由で反対する者だけでなく、自らの利益のためにあなたを不当に扱ってきた人々にもあります」。

 ダーウィンの玄孫(やしゃご、ひ孫の子ども)にあたるアンドリュー・ダーウィン氏は、英国国教会の謝罪は「無意味」と批判的な態度を示している。「約200年たってから謝罪する理由が分かりません。過ちを正すためではなく、謝罪することで重荷を軽くしたいだけとしか思えません」。

 一方、ダーウィンのひ孫にあたるホレス・バーロー氏(87)は、「曾祖父はウエストミンスター寺院に埋葬されています。ある意味、そのこと自体が謝罪とも受け取れます」といくらか批判色の薄いコメントを残している。(c)IANS/Venkata Vemuri


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