第一回 会社の作り方

−夢を実現するための方法−
はじめに
君たちは、大学を目指している。目先の目標がはっきりしているので今は頑張れ。
が、大学に入った後の自分の人生について一度でも考えたことがあるか。卒業して会社に入り、所帯を構え、つつがなく定年まで勤め上げて老後は年金で細々と過ごすといったところか。結構なことだ。申し分ないといっても良い。
だが、平凡な人生に疑問を感じたり、どうも自分が組織になじまないな、と感じた時どうすれば良いのか。学校では組織に順応する方法は教えてくれるが組織から外れたり社会からドロップアウトした場合どう対処して良いのかは全然教えてくれない。せいぜい社会に出たら厳しいぞと脅されるだけで、本当の社会の厳しさを一番知らないのは教師のくせに。(俺も昔は高校教師だった・・・)
君たちは財産や地位はないかもしれないが若さや無限の可能性がある。だから夢を持って欲しいんだ。さらに自分が持っているアイディアや夢を実現させるには、会社をつくることを勧める。俺が勧めるのは会社を作ることによって事業の儲けのみならず会社勤めじゃあ絶対に得られない何かを得ることができることを知っているからだ。社長になれる年齢は15歳以上。合資会社であれば6万ちょいの資金で3日もあればつくれる。さ、あとは飛ぶだけだ。

超簡単!かいしゃのつくりかた
会社には株式、有限、合資、合名の四種類あるが株式会社は資本金として1000万円必要となり現実的ではないだろう。あれば別だが。俺が6年前に作った有限会社は資本金300万と株式に比べて少ないが登記の手続きに約20万、さらに銀行に資本金を預けた証拠として保管証明書の発行や、公証人役場で定款(会社の憲法に当たる)の認証を受ける等の手続きが必要であり結構めんどうくさい。ところが合資会社の場合、資本金の規定がなく(つまり1円でも可能)さらに保管証明書や定款の認証の必要がないのである。費用が最も安く済み手続きが簡単な合資会社をすすめる。
手はじめに、
@近くの法務局に行って合資会社用の設立登記の用紙と印鑑届の用紙をもらう。
A無限責任社員、有限責任社員を各々最低一名ずつ決める。
株式、有限の場合有限責任社員一名以上で良いが、合資会社は無限責任社員、有限責任社員の2人必要となる。有限責任とは会社が倒産した場合出資金の範囲(有限の場合300万)で責任を負い、無限責任とは個人の資産を投げ打ってでも借金の責任を負わなくてはならない。但し現実にはそうなったとき株式や有限で個人の資産を守ることはまず無理である。無限責任社員(一般に言う社長)は貴方、有限責任社員は家族や友達誰でも良い。
B会社の名前を決める(日本語のみ可能、アルファベットやアラビヤ数字は使えない)
C会社の所在地を決める(自分が住んでいる自宅やアパートの一室どこでも良い)
D目的を決める(貴方の夢、やりたいこと、趣味や興味があること)
E社判の作成
一辺1p以上、3p以下の正方形の枠に収まるものであればどんな印鑑でも良い。普通はハンコ屋に頼んで作ってもらうが安く上げたいのであれば極端な話自分で彫っても良い。法務局でもらった印鑑届に押印する。
F定款の作成
会社の憲法(商号、目的、社員の氏名と住所、本店の所在地、社員が出す出資の金額(1円以上))というべきものをB4の用紙横書きにする。見本は別紙(作成中)参照。
G設立登記書の作成
申請人の氏名住所、登記事由(設立の手続き終了と記載)、登記すべき事項(別紙に記載の通りと記載)、登録免許税の額(6万円)、申請年月日、登記申請書を提出する登記所の表示、申請人の記名押印以上をB4の用紙横書きにする。
H登録免許税(6万円)の支払(収入印紙6万円を台紙B5に貼る)
I法務局でもらった登記用紙に定款と同じ事を記入。
J出資金領収書控えの作成(有限社員の出資金を記入)
ここまでが準備。
以上の書類(設立登記書、定款、印鑑届、収入印紙を貼った台紙、出資金領収書の控え)と印鑑(社判、代表者の実印)を持って法務局の窓口へ。申請書類の審査があり、書類の補正が済めば申請日を創立日とする貴方の会社が完成する。そんなに難しくないだろう?
めんどうくさいと思ったら行政書士に頼む方法もあるが、費用がかかるし何より自分で作ってこそ企業家精神ってのが芽生えるもんだぜ。
一つ忠告しておくが三流新聞に会社安く売ります等の広告があるが絶対に手は出さない方が良い。恐ろしいおまけがついてくる。どんなおまけかって?買えばわかるって。世の中には落とし穴や悪い奴等がいっぱいいるんだ。自分で作りなさいって!
あとは会社の運営は貴方次第ということになるが税金の問題(会社は赤字でも最低年7万の法人税を納める必要がある。一日200円程度か!)、資金を国から調達する方法、帳簿、手形、小切手などの問題は第二回目に譲るとしよう。
世界のホンダやソニーだって小さな町工場からスタートしたんだ。夢を実現させるためには会社を作ることから始まる。