第三回 原子爆弾の作り方

−核の恐怖−
はじめに
誤解のないように言っておくが、原爆作れって言っているのではない。材料さえあれば誰でも作れる危険性を示したいだけである。フランスや中国の地下核実験で大使館の前に座り続けた市民団体がいた。いつのまにかいなくなったが・・・。ヒステリックに核反対を唱える前にまず原子核の知識を身につけることは大切である。

U+n(中性子)→Kr+Ba+3n
上記の核反応式(化学反応ではない)を見て頂きたい。ウラン235に中性子を当て、クリプトン、バリウムの二つに核が分裂した。この核分裂反応においては反応前に比べ反応後の質量はわずかに減る。では減った質量はどこにいったんだろう?今世紀最も偉大な物理学者、アルバートアインシュタインは特殊相対性理論の中で質量とエネルギーが根本的に同じであることを証明した。核反応で減った質量をΔm(Kg)、発生したエネルギーをE(J)、光速をC=300,000(km/s)として

E=Δm×C×C

で与えられる。この式で注目したいのはである。質量の減り、Δmがわずかでも発生するエネルギーが莫大であることがわかる。化学反応の比ではない。さらに上記の反応で3個の中性子が発生している。もしすぐそばに3個のウランUがあり中性子が当たれれば同じ反応が起きこれが繰り返されると核分裂反応が3、9、27、81・・・と、等比級数的に増えてゆく。一回の反応が引き金となってねずみ算的に反応が繰り返される。これを連鎖反応という。少量のウランでは確率的に連鎖反応は起きないがウランの体積がある値を超えると連鎖反応が自然に引き起こされる。この体積を臨界容積(以後Vと置く)と呼ぶ。このVが原子爆弾の製造で重要な意味を持つ。JCOの放射能漏れ事故ではバケツでウランを汲み(いい度胸しているぜ)容器に移し替えた時にVを超えてしまった。

最も簡単な原子爆弾、ガン・メソッド(砲撃法)
では原子爆弾の製造の実際であるが準備するものとして、
@臨界容積分のウラン235。このまま放っておくと連鎖反応が起きるので半分ずつの塊に分けておく。こうすることでそれぞれの塊は連鎖反応が起きずに済む。
Aダイナマイト少々
B一端を閉じた鋼鉄製の容器
手始めに容器の閉じた一端に臨界容積の半分のウランを詰め込む。必ず隙間を空けてもう一端に残りのウラン、ダイナマイトの順に詰めて容器を閉じる。
後はダイナマイトの爆発によってもう一方に激突させて臨界容積に到達させる。こうして臨界に到達すると核分裂(核爆発)が起こるというわけ。

以上の製造法は広島に落とされた原子爆弾である。実に単純な製造方法であるが、実際問題としてウラン235はまず手に入らない。経済的な問題である。要するにウラン235は希少性ゆえ値段が高いってこと。そこでウランに代わる安い代用品がある。プルトニウムである。現在世界中で作られている原子爆弾はプルトニウムが材料となっている。しかしプルトニウムではガンメソッドでは作れない。なぜなら自発的に核分裂を起こして中性子を放出するプルトニウムが存在するためで、二つのプルトニウム塊を完全に結合する前に連鎖反応が始まる危険性があるからだ。そのためにガンメソッドとは異なる爆縮法なる方法が必要となる。残念ながら?この製造方法は複雑すぎてここには書けない。

さいごに
核の恐怖を伝えたかったのだが・・・原子爆弾の製造に偏りすぎてしまった。あ、そうそう核兵器ってなまものなんだ。ウランやプルトニウムは放射性元素であり時間とともに崩壊し劣化してゆく。すると古くなったやつは実験にでも使おうかって大国の身勝手な考えも生まれる。それとねえ核反応は確率の支配する世界でもあるんだ。(専門的に言うと不確定性原理っていいます)誤解を恐れずに言うと核の制御は丁半ばくち打ってるような一面もある。ほんとに原子力発電所が安全なら過疎な場所に作らないし、安全といいながら非常事態に備えた安全装置なんてもの付いてないって。