| マエストロとは名指揮者につけられる敬称のこと。AV監督として業界に多大な影響を与え続ける姿はまさに”指揮者”と呼ぶにふさわしいカリスマ性を備えている。そんな彼らの監督してのプライド、作品作りの苦悩は一体いかなるものか。週刊デジタルデマンド独占インタビューで3週連続掲載していきます。
第5回目は究極愛を追求しつづけて30年、女体調教師志摩紫光監督です。志摩監督の表現する”究極愛”とは?新レーベル「ソフィアレーベル」についても言及します!それではご覧下さい!
志摩監督は今までに何本位の映像作品を撮られましたか。
映画も含めての作品数は、全部で800本ほどになると思います。そのうち映画は、「にっかつ」「ジョイパックフィルム」分を合わせると、10本ほどです。他にも、亡くなられましたが、武智鉄二監督作品の「白日夢2」。江戸川乱歩原作のテレビドラマで、天地茂さんや、荒井注さん、岸本加代子さんが出演した「土曜ワイド劇場」の中の、SMシーンの他、忍者映画や、テレビドラマの中での責めシーン、縛りも含め、プレイルームの演出などもしてきました。
そうした演出の中では、各監督の意向を汲み、作品の質の向上と演出効果を、より高めるための工夫をしてきましたが、私が監督した作品については“究極愛”を根底に、様々なストーリーの中で、形を変えた映像作品を撮り続けています。
志摩監督の“究極愛”とは、具体的な言葉で、わかり易く表現するとどういうようなことですか。
人と人とを結ぶ絆としての、信頼と愛情を根底に置き、それを具体的な形として、映像にしたものが“究極愛”であり、それを追求し続けてきた作品が「志摩ワールド」です。
人が10人いれば10通りの、100人いれば100通りの、愛情表現があります。愛情の中には、親子、兄弟、師弟、友人同士の愛の形もあります。私の描く世界は、男女の愛を“究極愛”という形で、追求し、表現をしてきました。
“究極愛”とはハードプレイのことを指すわけですか。
全く違います。愛情の深さ、強さ、大きさを形で表したときに、結果として、ハードプレイに映るだけのことなのだと考えます。昔、流行した言葉に、「愛する人の為には、命も(賭けれる)要らない」というのがありました。それは、今でも真剣に愛し合ってる者同士が、無意識の中で感じ取ってることなのだと思います。
心を開き、身を任せ切ることが出来た時、女性は、ハードな責めの中にも、耽溺することが出来るのです。もちろん不慮の事故も含め“万が一”があってはいけない世界であり、“万が一”に備えることが出来ていて当然だし、出来ていなければならないし、フォローが出来る体勢がこちらに無くてはなりません。
ですから、単なる思い付きや、プレイのアイデアだけで、その前後を何も考えずに、するようなことがあってはならないのです。
最近起きた事故で、アナルにバルーン(ゴム風船状のもの)を入れ、バルーンの中に空気を送り込み、そのバルーンを破裂させるプレイをした制作会社がありました。その結果、直腸が粉砕され、緊急手術の結果人工肛門をつけてでしか排泄が出来なくなってしまった事件がありました。腸内でバルーンを破裂させても、映像には、その様子は映らないので、全く映像効果の無い、無駄で、無謀なことをしたことになります。更に結果として、半年以上の入院生活及び、再手術を要する大事故に繋がったのです。
その事実を聞いた時、強い憤りと怒りを覚えました。売らんが為の作品作りに気を取られたあまり、人間の体(生命)のことを軽視した結果だと感じられたからです。
確かに、私も、真冬の雪の中に女性を埋めたり、雪の上を車で引きずったり、吹き矢で、女体を的に、針で刺したり、電流を流したりと、映像的に、過激な責めシーンを展開していますが、それによって入院をするような事故に陥ったことは、一度もありません。それを、自慢しているのではなく、それが当たり前であり、入院事故に繋がるような事態には、絶対にさせないだけの備えとフォローがあるからこそ、それを科しても、可能なのです。もちろん、そうしたプレイは、誰に対しても、出来るものでは無いし、していいものでもありません。それを受け入れられるだけの、私との人間関係(信頼に基づく愛情)を築き上げられた女性だからこそ、科すことの出来る責めなのです。
それは私だけが出来る、というものではなく、そこまでの人間関係を築けたからに他なりません。女体に責めを科した時に、生じる現象に対処し、フォロー出来るだけの知識と、備えが出来るのならば、誰にでも可能な事なのです。
愛情があってこその責めだからこそ、女性は苦痛のみを感じ反応するのではなく、愛情の強さ、大きさを感じる中で、責めに陶酔し、耽溺していけるのです。「志摩ワールド」の作品に登場する女性の表情を見ていただければ、私の言う意味が分かっていただけると思います。
「志摩ワールド」以外にも「ソフィアレーベル」「マニアックレーベル」も出されていますが、その違いはどこにあるのですか。
「志摩ワールド」は、お分かりいただけたと思うので、「ソフィアレーベル」「マニアックレーベル」について、説明します。
「ソフィアレーベル」は“ちょっと危ないアブの世界”をテーマに立ち上げた新レーベルです。主に縛りや責めをしてみたいというビギナーの方を中心に、自分たちでも、そうした世界を覗き見てみたい。という要望に応えるべく、安全で、無理のない、それでいて、わくわくするような責めや、縛り方を、趣向を変え、分かりやすく、レクチャーも交え、制作しています。
プレイに、興味関心はあるけれど、どうしたら縛れ、責めが出来るのか、が、判らずにいる、レディコミ読者や、どのような種類のプレイがあって、どうすれば出来るのかを知りたいというプレイ予備軍にとっては、最適な入門編だと言えます。
具体的に言えば、縛るのに必要とする縄の長さ、捌き方、女体を好きな体位にしたまま固定する。つまり、SEXをしやすいような縛り方、アナル拡張や、アナルSEXするのに適した縄掛けを基本に、分かりやすく解説してあります。或いは、縛られた女性が、どのような感覚になるのかを語らせながら、女性がどのような反応を示すのかを取り入れた作品もあります。基本的には、男性だけでなく女性も一緒に安心して観れる作品内容に仕上げているのが「ソフィアレーベル」です。
「マニアックレーベル」は逆に、「志摩ワールド」の中にある、マニアックな責めを、更に高め、“究極の縛りと責め”をテーマに、ひとつのプレイにこだわり、深く追求した作品を作っていく為に、立ち上げたレーベルです。
ひとつの縛り方、責め方だけで終始し、その中で女性がどう反応し、惑溺していくのかを見せていきます。マニアになればなるほど、ひとつの縛り方や責めを工夫し、追及していくものです。「マニアックレーベル」は少数のそうした、マニアの要求に応えていきます。
ただ、そこまでの責めを甘受していけるだけのレベルに女性を調教し、育てなければならないため、1作目に続き、2作、3作と続け様に、作品として登場させるのは、少し時間が掛かると思います(苦笑)。ですが、中身の濃い作品であることに間違いありませんので、皆さん楽しみに待っていて下さい。
<続きは7月23日(金)です>
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