2009年9月16日15時26分
新型の豚インフルエンザの国内大流行に備え、厚生労働省は週明けにも、先に冬の大流行を経験しているオーストラリアに職員を派遣して調査することを決めた。医療体制や重症例などの情報を集め、日本での対策に生かす。
豪州は日本と同様、5月に新型の感染拡大が始まった。ただ、南半球に位置し、秋から冬に入る季節だったために患者が急増。6月17日からは重症者の治療を優先し、軽症者は自宅療養を呼びかける対策などをとった。
8月に入り、豪州内の患者は減少傾向にあり、15日現在、ウイルスの遺伝子検査による確定患者は3万6138人。大半は快復しているものの、このうち171人が死亡している。うち4人は妊婦だった。
各地の病院は一時、入院病棟や集中治療室(ICU)が患者でいっぱいになり、人工呼吸器などの機器が不足した。これまでに入院した患者は約4700人で、現在でも60人がICUにいる。
厚労省では、日本が本格的なインフルの季節に入るのを前に、新型による重症例にも対応できる医療提供体制づくりを急いでおり、豪州の関係省庁や医療現場など訪ねて、実情を調査する予定だ。