「在日米軍は現状維持、日米地位協定も堅持」という本音
たとえば、ピンク色の「知ってドッキリ民主党 これが本性だ!!」というパンフレットである。「第3章 日本人尊厳喪失進行中」というタイトルも大仰だが、中身も尋常ではない。
「『対等な日米関係』の罠」として、外交防衛・安全保障の点に触れた点を紹介しよう。ここでは、民主党のマニフェストにある「緊密で対等な日米関係を築く。日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で望む」という部分を引用して、「ここがコワイ!!」と反論している。
では、何が「コワイ」のかというと、こんな具合である。「安易に米軍による抑止力を低下させ、わが国の防衛力を後退させるなど、常軌を逸しているとしか思えません。日教組の偏った考えの言いなりになって、国民の生命、財産、領土、資源を危機にさらす思想であることに、民主党は気づかないのでしょうか。国を売っても政権をとるということでしょうか」。
これを読んだ人は、民主党の政策に不安を抱く前に、「なるほど、これが自民党の本音だったのか!」と納得したに違いない。自民党政権のもとで、米軍基地を移転・縮小するとか、独自の防衛戦略を築くなどと言っていたのは、みなウソだったのだ。その本音は、在日米軍をそのままにして、日米地位協定も堅持するというものだったのである。
このページでは、続けて「コレが民主党の本性だ!」として、次のようにまとめている。「民主党政権が実現すれば『日本』や『日本人』が消滅の危機に直面してしまうに違いありません」ーー。
ここまでくると、チープな右翼団体のビラのようだが、これを自民党の本部がつくったというのだから驚きである。選挙直前に追い詰められて、ぎりぎりになって悲痛な叫び声をあげた結果、ぽろっと本音が出たというのが正直なところだろう。このビラに書かれたことこそが自民党の本音なのである。
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