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自民党が撒いた「怪文書」に見る自民党の質的劣化

経済アナリスト 森永卓郎
2009年 9月15日

 先日の総選挙公示後の選挙運動期間中、自宅のポストを見て驚いた人も多いのではないだろうか。自民党本部が制作した民主党攻撃のパンフレットである。わたしのところには、ピンク色と紺色の2種類が投函されていた。

 党本部から自民党の候補者に配布されたのだそうだが、候補者によって選挙区内に配った人もいれば配らなかった人もいたという。

 その内容はといえば、当の自民党代議士の平沢勝栄氏が「怪文書」と呼んだ代物である。あまりのすさまじさにわたしは驚いて、後世までこれを記録・保存しておきたいと思ったほどだ。

 本来、与党が総選挙において主張すべきなのは、この4年間、自分たちはこういう努力をして、こういう結果を残した、だから引き続き自分たちに任せてほしいということだろう。ところが、この2つのパンフレットには、そうしたことは一言も触れられていない。ただひたすら、民主党を攻撃しているだけなのだ。しかも、その中身がまともではない。

 人は、追い詰められると本性を出すものである。昔話でも、人間に化けた怪物や化け物が、追い詰められてその正体を現すというストーリーはよくある。まさにこの「怪文書」は、選挙終盤になって追い詰められた自民党が、その本性をむき出しにしたものだと、わたしには思えるのだ。

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