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きょうのコラム「時鐘」 2009年9月16日
青い花のキクが誕生した。紙面に紹介された写真では、まだ紫色が強いように見える
先に青いバラが開発されて、人気を集めている。富山では青いチューリップづくりが悲願である。青色を作り出す遺伝子を突き止めたというから、夢の実現までさほど遠くない。人間の知恵は、たいしたものである 身の回りに、豊かな色があふれている。携帯電話やカメラの売り場はお花畑のように色を競う。白物家電と呼ばれる冷蔵庫や炊飯器でも、深い赤が目に付く。時代によって色の好みも変わる。バブルが崩壊した不透明な時代には、逆に透明感のある色が流行した、と聞いた。今は、どんな色が好まれるのだろう 花の色を変えるには高度なバイオ技術がいるが、人の心はいろんな色に簡単に染まる。不安に駆られればお先真っ暗になり、頭は真っ白になる。感情が高ぶれば、青ざめたり、真っ赤に変化したりする 民主党のシンボルマークは、鮮やかな赤である。情熱の色であり、赤心という真心の色でもある。危うい信号の赤であり、怒りの色も赤である。新政権の発足で、どんな赤が心に刻まれるのだろう。 |