持病ない24歳死亡…沖縄、新型インフル感染女性
沖縄県は15日、新型インフルエンザに感染した同県南風原町の女性(24)が死亡したと発表した。女性に持病はなく、基礎疾患のない人が新型インフルエンザに感染し、重症化して死亡した初のケースとみられる。厚生労働省によると、国内の死者は疑い例を含めて14人目で20歳代は初めて。これまでの死者は慢性腎不全などの持病があったケースがほとんどだった。
沖縄県によると、女性は8月26日に38・8度の熱が出て、民間病院での簡易検査でA型と診断された。自宅で治療薬リレンザを服用して療養したが、呼吸困難に陥ったため、同31日に再受診。ウイルス性肺炎の発症が確認され、県立病院に緊急入院した。同日、PCR検査(遺伝子検査)で新型に感染していることが判明。集中治療室で人工呼吸器を装着して治療を受けたが、くも膜下出血を起こし、15日午前11時過ぎに死亡した。同県医務課は、新型インフルエンザが悪化し、急性肺炎とくも膜下出血を併発したとみている。
同課によると、女性は母親と弟の3人暮らし。母親と弟も同時期に発症したが、タミフルを服用し回復。女性はカプセル状の薬が苦手だったため、民間病院が粉末状の吸入薬リレンザを処方したという。同課は「リレンザは吸入力が弱いと、十分効果が得られないリスクがある」と説明している。
今月9日、慢性疾患や既往症がなく、新型インフルエンザに感染していた大阪府四條畷市の男性(当時45歳)が死亡したが、同府は死因を虚血性心疾患と発表、「新型インフルエンザが直接の死因ではない」としている。
(2009年09月16日 読売新聞)
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