官立遊園地の悲劇
大阪萬博公園のジェットコースターで死亡事故。遊園地「エキスポランド」の運營主體は民間企業の泉陽興業だが、所有者は財務省管轄の獨立行政法人、日本萬國博覽會記念機構である。ネット上の情報によれば泉陽興業と云ふ會社自體、政治的な色彩を帶びてゐるやうで、それはそれで問題だが、それ以上に、そのやうな會社に運營を「丸投げ」してゐた行政の責任を問ふ聲が少ないのは不可思議である。
エキスポランドを運営する「泉陽興業」とは (大阪民国NEWS)
民間の遊園地でも事故は起きる。但しそれが官立の遊園地と決定的に違ふ點は、深刻な事故を起こせば客が來なくなり、下手をすれば倒産すると云ふ事である。官立企業は絶對に倒産しない。そのやうな樂な環境に置かれた經營者や社員が眞劍に利用客の安全を考へる筈が無い。今囘の事故を受け、政府は遊園地への規制を嚴しくするらしいが、無意味であり税金の無駄遣ひである。官立企業が官立である限り、類似の過ちは必ず繰返される。過ちの囘避を最優先する動機がないからだ。民間企業はそのやうな規制がなくとも、長期的な費用と收益を天秤に掛けて自主的に安全対策を実施する。
民主主義國家に於いては政治家の票になる法令しか作られないから、票にならない分野のルールは放置され放しになる。今囘の事故の遠因も、遊園地にメリーゴーラウンドくらゐしかなかつた時代の古い安全基準が、「絶叫マシン」全盛の現在に到るまで見直されないままだつた事にある。こんな事は民間企業ではあり得ない。政府は全ての官立遊園地を公正な手續きで民間に売却し、遊園地事業から手を引くべきである。政府に個人の安全の面倒を全てみて貰ふと云ふ發想から、日本人は好い加減に拔出さなければならない。
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