厚生労働省が所管する社会福祉法人が、国の補助金1800万円を不正に流用していた疑いが強いことが、厚労省関係者などへの取材で明らかになりました。
この団体は、全国の障害者施設などで組織する「全精社協=全国精神障害者社会復帰施設協会」で、栃木県さくら市の社会復帰支援施設「ハートピアきつれ川」の運営などを行っています。
関係者などによりますと、「全精社協」は去年3月、調査研究費として交付された国の補助金1800万円を、会長や副会長ら6人の個人口座に振り込んでいたということで、振り込みに対しては、架空の調査費名目で領収書も発行されていました。
その後、金は団体の別の口座に移され、当時、経営難に陥っていた施設の運転資金などに充てられていたということです。
「全精社協」では、この他にも資金の一部の使い道がわからなくなり、うち数百万円が政治家への献金に使われた疑いもあるということで、今年4月には厚労省が特別監査に入っています。(14日11:40)