イスラマバード(CNN) パキスタン南部の商都カラチの警察は15日、市内の私有地で14日催された貧困層などに対する小麦粉の慈善配給に数百人が殺到して将棋倒しが発生、18人が死亡、12人が負傷したと述べた。
犠牲者には子供2人が含まれる。死傷者がさらに増える恐れも出ている。配給は個人の男性が弱者支援として企画したとみられる。男性は、関係当局に行事実施を連絡しなかったとして逮捕されたという。
世界食糧計画(WFP)によると、パキスタン総人口(約1億6390万人、2007年調査)の約24%が栄養不足の状態に陥り、5歳以下の子供の38%が体重不足に直面している。
同国は、与野党対立やイスラム強硬派勢力によるテロ攻撃多発など内政の混乱、汚職のまん延などで厳しい経済苦境に直面。最近ではアフガニスタンに接する北西部でイスラム強硬派勢力タリバーン系組織の大規模掃討作戦を実施、数百万人とされる国内避難民も生まれている。