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銀行への元本返済猶予制度、亀井氏が導入検討

2009年9月15日22時54分

写真:金融・郵政問題担当相の内示を受け、笑顔で会見する国民新党の亀井代表=15日午後、東京都千代田区、堀英治撮影金融・郵政問題担当相の内示を受け、笑顔で会見する国民新党の亀井代表=15日午後、東京都千代田区、堀英治撮影

 鳩山新政権で金融・郵政問題担当相に内定した国民新党の亀井静香代表は15日、党本部で記者会見し、業績の悪化した中小企業や個人に対し、銀行からの借金の元本返済を猶予する「支払猶予制度」(モラトリアム)を導入する考えを明らかにした。日本郵政の西川善文社長に自発的な辞任を求める考えも示した。

 支払猶予制度は、金融機関に対し中小企業向け貸し出しや個人向け住宅ローンの返済猶予を促す仕組み。法律上の強制力はないが、金利分を支払えば、元本返済を3年程度猶予することを想定している。中小企業や個人の資金繰りを助ける狙い。亀井氏は会見で「可及的速やかに実施したい」と語った。

 民主、社民、国民新3党による連立政権の政策合意には「貸し渋り・貸しはがし防止法」(仮称)を成立させ、貸し付け条件の変更や返済期限の延長を金融機関に促す方針を盛り込んでいる。「防止法案」のなかに、支払い猶予の仕組みを位置づける方向だ。

 同制度が実現すると、民間の融資契約に国が「後出し」で借り手側に有利な契約変更を迫る異例の措置となる。住宅ローンの借り手らにはメリットがあるが、金融機関側にとっては元本の返済猶予を安易に認めると、収益が悪化するおそれもある。「制度の作り方によっては、経営への影響は大きい」(大手行幹部)と警戒感が広がっている。

 一方、亀井氏は会見で西川氏の進退問題について「生首を切るようなことはしたくない。この際身を引き、新しい経営者に委ねると、ご自身がそう判断された方がいい」と発言。「(郵政民営化の)見直しが既定事実になっているので、社長を続けるのは不可能だろう」と述べた。

 民主党の鳩山代表も新政権発足後、西川社長を解任する意向を改めて示している。

 4分社化を採用している日本郵政グループの形態については、「一つの体をずたずたに切った。そういう体が機能するはずがない」と述べた。新政権発足後、組織の見直し作業を本格化させる方針だ。

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