民主党への政権交代で、国営諫早湾干拓事業(諫干)の潮受け堤防の排水門開門調査への議論が高まる中、「よみがえれ!有明訴訟弁護団」が14日、長崎県庁で記者会見し「国が進める環境アセスメントをしなくとも開門調査はできる」とアピールした。
馬奈木昭雄弁護団長は、干拓地の背後地に排水機を増設したり代替の農業用水確保などの対案を挙げ「対策工事を含め6年以上かかる環境アセスメントは必要ない。すぐ調査はできる」と指摘。政権交代を踏まえ「開門調査に関する予算確保を働き掛けたい」と述べた。
また「堤防の防災効果が諫早市内全域に及ばないことは国が認めているのに、長崎県と諫早市は市街地全体に防災効果があるような過剰な宣伝で、県民に誤解を与えている」とも述べた。
諫干をめぐり、佐賀地裁は08年6月、中・長期開門調査に必要とされる5年間の開門を国に命じる判決を出した。国は開門調査した場合の影響を調べる環境アセスメント実施に向けた準備を進めている。【柳瀬成一郎】
毎日新聞 2009年9月15日 地方版