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「一人で食堂入りにくい」6割 「便所飯」経験も2%

2009年9月14日

 一人で食べる姿を見られたくないからトイレで食事をとる「便所飯」。学生の間で広がっているとされることから、実態を探ろうと法政大学の尾木直樹教授が、同大の487人にアンケートした。400人から回答があり、「便所飯をする」と答えた学生が2.3%(9人)いた。ほかにも「一人で食堂に入れない」「いつも友達と一緒じゃないと落ち着かない」という回答もあった。

 尾木さんは毎回、講義の最後に、学生に質問や悩みを自由に書かせている。その質問の一つに、「トイレに食事禁止の張り紙があるって、本当ですか」とあった。

 「大学のトイレで昼食をとる便所飯」について、「よくある」という回答は0.3%、「少しはある」の2.0%と合わせて、2.3%が便所飯の経験者だった。

 また、「一人で学生食堂に入りにくい」が「よくある」と「少しはある」をあわせて6割近くに上った。「昼食は友達と一緒でないとみじめだ」が「よくある」で31.8%、「少しはある」も13.3%あった。「いつも友人と一緒でないと落ち着かない」は、「よくある」「少しはある」をあわせて23.5%になった。

 最後に「学生生活を充実させるために大学へ何を要望しますか」と聞き、自由記述で答えてもらった。授業料減額を求める声が多い一方、「たまりば」「楽しくしゃべるスペースがほしい」というものも少なくなかった。

 尾木さんは数年前から「大学生が変わってきた」と気になっていた。調査で、「一人でいられない学生の姿が浮かび上がってきた。その突出した現象が便所飯ではないか」。東大や早大で聞き取りをしても同じ傾向が見られるという。「依存度が高く、他人の目が気になるのは思春期の発達の特性だが、それは小5から中3の発達段階。高校時代、人との交わりや生活体験が抜け落ちてしまっているのではないか」と指摘している。(数字はいずれも速報値)

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