9月の朝雲ニュース

9/10日付

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自衛隊病院
10病院に集約 提示
あり方検討委が報告書 6病院は診療所に

 防衛省の「自衛隊病院等のあり方検討委員会」(委員長・岸政務官)は8月28日の会合で、質の高い医療を提供するため、現在16の自衛隊病院を10病院に集約化するなどの改善策を報告書にまとめ、浜田防衛相に提出した。
  同委員会は、自衛隊の多様化する任務に対して的確に対応するため、自衛隊病院の再編を含めて自衛隊病院のオープン化の促進や医官の医療技術の維持・向上などについて検討するため昨年11月に設置され、これまでに3回の会合を開き、同日の4回目の会合で改善策をまとめた。
  報告書は、「自衛隊衛生のあるべき姿」を追求するための「改善の方向性」と「改善策」に分けて提示。改善の方向性としては、限られた人的・物的資源を集中することで質の高い医療の提供を可能にすることを掲げている。
  主な改善策は@16病院を10病院に集約化し、質の高い病院の整備A原則として保険医療機関化を目指すとともに、救急診療の推進B防衛医大と他医療機関などとの連携強化C病院利用率向上等のための各種施策の推進―を提示。
  この中で、自衛隊病院の集約化については、現在の16病院を10病院に集約・機能強化し、6病院を診療所にするほか、航空医学機能を持たせた新病院を飛行場の隣接地に設置する。
  これにより北海道地区の札幌病院、東北地区の仙台病院、関東地区の中央病院、横須賀病院、飛行場隣接の新病院、関西地区の阪神病院、九州・沖縄地区の熊本病院または福岡病院とし、富士病院、呉病院、別府病をリハビリテーション科などの機能病院とする。三沢、大湊、岐阜、舞鶴、佐世保、那覇各病院は診療科目や病床数を見直し診療所化する方向で、これらの改善策は防医大病院をはじめ、各地の衛生部隊との連携強化が不可欠としている。