北野武監督(62)の次回作が待望のバイオレンス映画(タイトル未定)になることが13日、分かった。すでに8月23日にクランクインし、年内完成を目指して撮影中という。北野監督が現代ヤクザを主人公とした映画を手掛けるのは01年公開の「BROTHER」以来9年ぶり。主演はビートたけし、共演に三浦友和(57)、椎名桔平(45)、加瀬亮(34)ら、北野作品初登場の豪華な俳優陣が顔をそろえる。2010年に公開。
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9年ぶりに封印を解く。北野監督が第15回監督作品で得意のバイオレンス映画に回帰する。
タイトルは未定だが、すでに8月23日にクランクイン。内容はヤクザの世界で男たちが生き残りをかけて、裏切りや駆け引きなど、激しい権力闘争を繰り広げるというまさにバイオレンス・アクションだ。
もともと北野映画を世界に広めたのがバイオレンス作品。89年の監督デビュー作が一匹狼の暴力刑事を主人公にした「その男、凶暴につき」。その後も「3-4X10月」(90年)、「ソナチネ」(93年)などを製作。独自のバイオレンス描写は海外でも評価され、日英合作「BROTHER」(01年)や時代劇バイオレンス「座頭市」(03年)も興行的に成功した。
近年は「監督・ばんざい!」(07年)、「アキレスと亀」(08年)など、脱バイオレンス路線を歩んできた。しかし、監督デビューから20年となる今年、真骨頂でもあるバイオレンス作品を再び手掛け原点回帰する。
キャストも主演のビートたけし以外は新顔が集結。三浦、椎名、加瀬以外にも北村総一朗、小日向文世、石橋蓮司、國村隼、杉本哲太、塚本高史らが北野作品に初参加。劇中の人物関係は明らかにされていないが、刑事役の小日向以外は全員がヤクザ役での出演だ。
個性豊かな男たちをどのようにまとめ上げるかが注目されるが、北野監督は「久々だけど、やっぱりバイオレンスものはおもしろい。役者もピッタリな顔ぶれがそろったし、すごくいい感じだ。自分でも今から仕上げが楽しみだよ」と手応えを口にしている。
満を持して始動した“世界のキタノ”に世界中が注目している。