(cache) 評価の一方、運用面に課題 被害者参加で日弁連調査 - 47NEWS(よんななニュース)
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  • 評価の一方、運用面に課題 被害者参加で日弁連調査

     昨年12月に始まった刑事裁判への被害者参加制度について、代理人を務めた弁護士の多くが「被害者に感謝された」「被告が反省を深めた」などと評価していることが4日、日弁連のアンケートで分かった。

     ただ、運用面で検察側とコミュニケーションが十分取れなかったとの意見も目立ち、被害者や遺族が取り残されかねない現状も浮かび上がった。

     アンケートは7月に実施。東京地裁で行われた全国初の裁判員裁判を含む40件について、弁護士35人から回答があった。

     それによると、被告人質問を33件、被害感情などについての意見陳述を32件、求刑意見を22件で行うなど、制度で認められた権利の積極的な活用がうかがえた。

     感想などを述べる自由記述では、評価意見のほか「求刑や判決が従来の相場より重かった」「法廷にいい意味で緊張感が生まれた」と、制度による変化を指摘する意見が多かった。

     一方で「被告の謝罪がなく、被害者は何も得られなかった」「被害者の精神的ケアが悩ましい」との苦慮や「被告人質問を弁護士にさせたがらなかった」「被害者の意向を検察官に伝えたのに反映されず、不満が残った」と、検察側とのコミュニケーションが不十分との指摘も。

     中には「否認事件では、被告だけでなく、検察官とも話がかみ合わず混乱するだけ」と、参加を認めないよう制度見直しを求める意見があった。

     アンケート結果は、山形市で5日開かれる「犯罪被害者支援全国経験交流集会」で公表される。

      【共同通信】