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【大相撲】朝青 テレビカメラぶっ壊した!! 把瑠都つり上げ5メートル吹っ飛ばす2009年9月14日 紙面から (13日・両国国技館) 両横綱が白星スタート。朝青龍(28)=高砂部屋=は激しい攻めで把瑠都を退け、白鵬(24)=宮城野部屋=は安美錦を難なく寄り切った。史上1位タイの幕内在位97場所目を迎えた大関魁皇(37)=友綱部屋=は、初顔の翔天狼を危なげなく寄り切った。 身長で13センチ、体重で34キロも差がある把瑠都をつり上げる。右ひざのじん帯を損傷し、両ひじに古傷がある朝青龍。場所前のけいこで不安を露呈していたが、この日は別人のような強さだった。寄り切った把瑠都をおよそ5メートル吹き飛ばし、250万円のテレビカメラを一部破損させたほど。 把瑠都には「横綱をつれたらいいけど」と“予告”されていたが、それを知ってか知らずか、つり返して勝つところが朝青龍の憎いところ。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)も「当たりもいいしその後の攻めもいい。いいスタートを切った」と上々の滑り出しに注文をつけるところもない様子だった。 場所前に誰もが優勝候補に挙げたのは白鵬。巡業中に負傷した右ひざには「イノシシの脂を塗ったり、漢方として使われている高原のネズミのふんを食べたりしてる」と独自の治療に加え、東京都内の病院にも通ったが不完全なまま出場。横審のけいこ総見では、内館牧子委員が「最低」という内容の戦犯1人に挙げられもした。だが、この日の取組を見た横綱審議委員会の沢村田之助委員は「朝青龍も調子がいいとは言えないが、朝青龍よりもまわりがもうひとつですね。把瑠都には期待していたんですけど」。 周囲の風が冷たいときほど発奮する横綱。「立ち合いがよかった」。立ち合いだけ集中? 「うん」という2言しか発しなかったが、この口数の少なさがそのまま反骨心になりかわっている。 (岸本隆)
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