広島県内の小学校内で教え子の女子児童10人に性的暴行を繰り返したとして強姦(ごうかん)罪や強姦未遂罪などに問われた元教諭、森田直樹被告(43)の判決が14日、広島地裁であった。奥田哲也裁判長は「教師という立場を最大限悪用した比類なきほど悪質な犯行。鬼畜にも劣る浅ましい蛮行だ」と指弾し、求刑通り懲役30年を言い渡した。
判決によると、森田被告は01~06年にかけて▽10人の女児に強姦46件▽強姦未遂11件▽強制わいせつ25件▽児童福祉法違反13件を繰り返した。森田被告の上申書によると、被害児童は27人に上るという。
検察側はこれまでの公判で「性的暴行をビデオに収録して女児に口止めしていた」などと主張。被害女児の母親は意見陳述で「(女児は)心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断され、自ら手首を切ったことがある」と訴えていた。これに対し弁護側は「教師を懲戒免職になるなど社会的制裁を受けた」と刑の減軽を求めていた。
奥田裁判長は「被害児童の人生の歯車を大きく狂わせた責任はあまりに重大で、有期懲役刑の最高刑をもって臨むほかない」と述べた。【寺岡俊】
毎日新聞 2009年9月14日 22時19分