2009-09-14 22:33:32

人生の光と影 激震編

テーマ:ブログ
斎藤が歩きながらスポーツドリンクを飲んだ。







「飲んだぞ!」







……………







しかし斎藤に異変はない。





斎藤が職員室へ行くのかと思いきや 洗面場に戻ってきた。






「おい 何にもならねえじゃねぇか?」
アキラが言う。





斎藤は何の変わりもなく、職員室へ戻って行った。







「おいおい!確かに飲んだよな!?
ノリ!ちょっとビンは!?」
俺は興奮気味にノリに言った。







「いや まだ半分はあったよ!」






「ちょっと見に行くぞ!」






教室に戻り、アキラから渡された、劇薬と書いてあるシールが貼ってあるビンをノリが机の中から取り出した。






「開けろ 開けろ!」

アキラがビンを開けて匂いを嗅いだ。





「………??… おい これ なんかいい匂いするぞ!? 嗅いだ事ある匂いだぞ!」








ノリがアキラからビンを渡され匂いを嗅ぐ。


「…… ? これ あれだよ!サイダーだよサイダー!!なんだよ! ふざけんなよ!!」






俺達が“劇薬”だと思っていたモノはただの実験用のジュースだったのだ。









「…マジかよ……せっかく ここまで来て…」








ガキの共謀する殺人なんぞこんなものだ。





「ああ…
今までの苦労が…」







なんともお粗末な結果に俺達は肩を落とした。








昼飯を食べ終わり、また3人で“会議”だ。







「なあ… どうする? これから… 」
ノリが弱気な声を出す。







「うん… マジ やっちゃったよな… よくチェックしないでさ…」

アキラは相当まいってるようだった。







俺は

「この際、正攻法でいくか…… 」

と言った。







正攻法とは……






アキラは

「刺すのか? ナイフで…」

と聞いた。








「いや‥もっと恐怖を与えて殺そう。 ナイフより強力な武器……」






しばらく考え

ノリが叫んだ。






「…あるある!! 」





「なんだよ!?」

とアキラが言う。








「銃だよ 銃!!」






「銃!? 銃なんてどこで手に入れるん……
あっ!」

アキラが何かに気付いた。






ノリがニヤリとこっちを向いた。

「拓郎(仮名)先輩だよ!!」







「拓郎先輩か……」





岡島拓郎(仮名)……
俺達の3つ上の先輩で同じ学校の先輩だ。
去年の夏にコンビニでたまっていた俺達に“からんで”きた人だった。

だが本気でからむつもりはなく 俺達悪ガキを懐かしそうな目で見て、 それから可愛がってくれ何かあれば相談にのってくれた人だ。


当時からヤクザの事務所に出入りし、今は組の構成員になったと聞いている。

体は細いが、この辺りでも有名な悪で様々な伝説を持っている先輩だ。







「拓郎先輩か…… 銃持ってるかな!? でもよ… 銃ならかなりの恐怖を与えられるな!」

アキラが言った。







「ああ、恐怖だ。 恐怖をあいつらには与えなきゃダメだ。脅すだけ脅して……最後は殺すんだ。」

俺はそう言った。









「でも……」
ノリが言う。






アキラが
「なんだよ!?」
と返した。








ノリは
「拓郎先輩、今バリバリのヤクザだろ!? なんかよ 俺達関わって大丈夫なのかよ?」






「関わるしかねぇだろ? 刺すなんて甘いよ いや…刺してから撃ち殺してもいいな…」






俺はアキラの言葉にうなずいた。







「よし、 拓郎先輩のところに行くか…」
アキラがこっちを見た。







「おう、 わかったよ。 でもヤクザから銃を買うんだろ!?金がいるぞ金が…」







「よし、一週間 金集めだ。」







俺達は一回目の殺人を失敗して更に強力な事を考えた。






ヤクザに関わっていいことなどない…
俺達ガキには刺激が強すぎた。


ただ溢れる殺意が背中を、ドンッと押す。


とにかく俺達は金を集めた。






恐喝、窃盗……





やはり一番金になったのが窃盗だ。





何でも置いてあるホームセンターに行き押し車式のカゴにカーナビやコンポやゲームソフトなどの高価なモノを詰め込み、駐車場まで行き ノリが無免許で運転する親の車のトランクに詰め込む。

それを全て売りさばく。


これはかなりの大金をかせげた。






恐喝も隣街に行き、若いサラリーマンから学生まで徹底的に金を“せしめた”。






そして……








「こんだけやって30万か…… 銃っていくらで買えるんだ?」
アキラが言った。







銃の相場などわかるワケがない。






「よし とにかく この金持って 先輩のとこ行くぞ!」






休日、俺達はありったけの金を握りしめ拓郎先輩の在籍する組がある埼玉の大宮に向かった。









この街はいつも人でごった返している。
ショッピングへ行く若者も異常に多い。
キャバクラのキャッチや、“うさんくさい”連中も沢山いる。






この街の繁華街の奥に、組事務所があった。






真夏でTシャツも汗ばむ気候だ。





「あちいな… しかし銃、売ってくれっかな?」
ノリが言う。








「売ってもらうしかねぇだろ」
アキラが返した。







繁華街に入るとうさんくさい連中が一気に増える。 昼間だというのにだ。






「なんか緊張すんな…拓郎先輩俺達の事覚えてるかな…」 俺は少し不安げに言った。







「いやいや覚えてんだろ 大丈夫大丈夫」

アキラはいつも根拠のない自信を持っている。






繁華街をしばらく歩くとラブホテルが何軒か見えてきた。







「おい この辺だよな?」



とその時







「プオーン!!!」

後ろから激しいクラクションを鳴らされた。





「んだよ!うるせえな!」




と後ろを振り返ると、“ごっつい”黒のベンツだった。






「うわっやべえ!」





中に乗っているのは一目でわかるレベルのヤクザだった。







道をあけようとした時、車から人が降りてきた。







「げっ マジかよ こっち来るぞ!」
ノリが小さい声で叫んだ。









「おい!おまえら!!」






車から降りてきたのは サングラスをかけたスーツを着たヤクザだった。







「やべっ 逃げる?」
アキラが言った。






するとそのヤクザがサングラスを外し


「おい かわいい後輩達!びびってんじゃねえよ!!」





と叫んだ。









車から降りてきたのは なんと拓郎先輩だった。






俺達は胸をなで下ろし 拓郎先輩の方へ行った。







「先輩 お久しぶりです!! あの先輩…実は…」
俺はなかなか言い出せなかった。 銃を売ってください、なんて簡単には言えない。







しかし拓郎先輩は何かを見抜いていた。








「おめーら なんかあったな? 今から事務所戻ろうと思ってたけど そこの喫茶店で話し聞いてやる。」







完全に見抜かれていたのだ。






俺達は初めて“本物”と関わる事になった。





そして事態は急展開していく。






俺達の人生を、神様が手の平で転がすように。




いや 神様ではなく悪魔だったのかもしれない…







因果は、廻る…










続く。

コメント

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1 ■高瀬先生

続きがよみたいです。

2 ■無題

これって実話なんですか?ここまで書いて高瀬さん自身大丈夫なんですか?
心配です

3 ■激震!

拓郎先輩こえーっす(。。;)
マジぱねっすわ・・・
リアルYAKUZAと関わりがあるなんですげぇッス、高瀬さん・・・

4 ■無題

>>2さんへ
フィクションでしょう(笑)

格闘家から携帯小説作家へ転身ですかね

5 ■無題

さすがにやばくないですか?こんな事書いて…

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