酒井法子「クスリの現場」AERA8月10日(月) 13時16分配信 / 国内 - 社会夫の逮捕に続き、本人にも覚醒剤所持容疑の逮捕状。何が、のりピーを転落させたのか。── 仲間うちでは有名だった。 屋外や倉庫などで、享楽的に踊りまくるレイブパーティー。より深い陶酔を求めて参加者が薬物を使用することが問題になっており、山梨県や群馬県で開かれたパーティーでは、大麻所持容疑で逮捕者が出ている。 そのレイブパーティーに、のりピーがよく出没し、夜な夜な踊り狂っている──。 パーティーによく参加する20代後半の女性は、友人から、 「酒井法子が、明らかにクスリやってるよね、って外から見てわかるほどハイになって踊ってたのを見た」 と聞いた。別の女性は、知り合いのモデルから、 「彼女は『超レイバー』として有名。5年ほど前によくパーティーで会った」 と聞いている。サーファーが集まるクラブイベントには、子連れで夫婦で参加。友達5、6人と一緒に踊っていたのを見た、という目撃情報もある。 別の女性は、サーファー友達からこんな噂を耳にした。 「旦那は当然だけど、のりピーだってクスリをやっている」 ■自宅から微量の覚醒剤 酒井法子容疑者(38)、覚せい剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕状──。 7日午前、衝撃のニュースが流れた。4日前に、夫の高相祐一容疑者(41)が同容疑で現行犯逮捕され、自宅マンションが家宅捜索を受けた。すると、微量の覚醒剤が見つかり、妻の酒井容疑者も覚醒剤を所持していた疑いが強まったとして、逮捕状請求となったのだ。 冒頭のような「実像」を知っていた人にとっては想像できたことかもしれないが、世間に流布されていた「清純でかわいいアイドル」のイメージからは、あまりにかけ離れていた。 東京・渋谷区道玄坂。風俗店や飲み屋が立ち並ぶ。その中でもひときわ狭い裏通りで、3日午前0時ごろ、男が警察官から職務質問を受けていた。 様子を目撃した、近くの商店主の男性は言う。 「小柄で日焼けして、茶髪。胸元にアクセサリーをじゃらじゃらつけた、クラブ帰りのような男性が、警察官から話を聴かれていた。おどおどした様子で、ふくらんだズボンのポケットの中身を見せないと言って、警察官ともめているようだった」 その男が、のりピーの夫、高相容疑者だ。ビニール袋に入れた白い結晶状の粉末を下着の中に隠し持っていた。路上で簡易検査をすると、約3回分の使用量の覚醒剤と判明した。 職務質問の途中、高相容疑者が呼び出したのは、妻のりピー。目撃した前出の男性は言う。 「サングラスをかけた女性が、職務質問を受けている男と警察官の間に立って、サングラスをかけたり外したりしながら、話していたが、途中から泣き出した。携帯で誰かに助けを求めているようだった」 目の前で夫が逮捕されるのを目撃した彼女は、 「子どもを預けているから」 とだけ言い残して、その場を立ち去った。知人宅に長男(10)を預け、一人失踪。逮捕状が出た7日夕方現在、消息は明らかになっていない。 ■青山の億ションで生活 当初は、夫の逮捕にショックを受けたための失踪かと思われたが、本人にまでクスリ疑惑が広がっていたとは──。 ある芸能コラムニストの女性は、この事態を想像していた。 「芸能関係者の間では、のりピーが失踪してすぐ、クスリを抜くためだろうという噂が広まっていた。芸能関係者のサーファー仲間である夫には、ずっと前からクスリ疑惑があったから」 芸能リポーターの梨元勝さんは、今年の正月、ハワイでこんな噂を聞いた。 「のりピーの夫がハワイでコカインを数年前に買っていた、と。家族旅行でハワイに来た時だから、のりピーも一緒だったでしょうね。まさか、のりピー本人はクスリを使っていないと思っていましたけどね……」 クスリに手を染めるきっかけになったとみられる結婚生活。それは、一見華やかさに満ちていた。 東京・港区南青山。青山墓地にほど近い、超一等地のタワーマンションが、のりピーの自宅だ。11階にある約110平米の3LDK(ウオークインクローゼットと納戸付き)で、分譲価格は1億5800万円。黒塗りのハイヤーで帰宅する人もいる、セレブなマンションだ。 ■「名門小」のPTA役員 近所の人によると、長男が通う公立小学校は、土地柄、保護者会にベンツが並ぶほどで、有名人の子どもも多く通うブランド校という。のりピーの自宅は学区外だが、学校選択制を使ってその学校に通わせていた。 同じ小学校に娘が通う女性は、のりピーとはPTA仲間。PTA関係や子どものことで、電話で話すことがあった。 「彼女はPTAにも積極的に参加してくれる。気遣いの人で、人の嫌がる仕事も進んで引き受けてくれる。みんな大好きだったと思いますよ」 タワーマンションの目の前には、夫の父、高相次郎氏が営む「SKI SHOP JIRO」がある。スキーヤー憧れのブランドで、スノーボード用品やアロハシャツを扱う系列店も展開し、全店舗を合わせた2008年5月期の年間売上高は約8億5000万円に上ったようだ。 「このあたりは店の移り変わりが激しいけれど、『JIRO』は唯一、長くちゃんとやっているお店。次郎さんと奥さんがしっかりしているからね」 と、近所のクリーニング店主。のりピーもそんな義父母を慕っていた。前出のPTA仲間の女性は、スキーショップの近くにある夫の実家に、のりピーと息子が一緒に来ているのをよく見かけたという。実家の近所に住む年配女性も、 「実家の周りで息子さんがよくサッカーをやっていた。元気で活発な子。でも……。夫の祐一さんの姿はほとんど見かけたことがないですね」 同じマンションの住人も、 「ここ1年くらいは夫婦一緒の姿を見たことがない。のりピーは子どもと二人で、夫は一人でしか見ない」 一見、人もうらやむ「セレブ生活」の中で、夫との関係が静かに崩壊していた。 ■家族への深い思い入れ 夫は「自称」プロサーファー。日本プロサーフィン連盟に公認登録はなく、実際は無職の状態だったのだろう。自宅マンションの所有権も、住宅ローン4800万円の債務も、のりピー名義で登記されている。 前出の梨元さんによると、今年6月ごろから夫婦は別居状態だったという。夫は千葉の別荘で暮らしていたようだが、その別荘ものりピーが購入したものだったらしい。 のりピーが特に仲の良かった「ママドル」仲間には、工藤静香、森高千里がいる。工藤の夫は、人気、収入ともに芸能界随一のキムタクこと木村拓哉。森高の夫も、映画にドラマに引っ張りだこの江口洋介。 「芸能界のママ友として仲がいいだけに、『なんで自分の夫だけ……』という気持ちは募っていたでしょうね」(梨元さん) それならば、夫と決別すればいい。離婚でイメージアップした女優なんて今はザラ。だが、彼女は決別どころか、夫から覚醒剤という「負の財産」まで受け継いでいた。 前出の芸能コラムニストの女性は言う。 「のりピーは自分が不遇な環境で育ってきたから、人一倍家族に思い入れがあった。夫に合わせてタトゥーを入れたり、クスリに手を出したり、そういうことが『愛の証』と勘違いしてしまったのかも。ヘンな男を自分が更生させようと思っても、結局は破綻する」 小学校入学前に両親が離婚。父に引き取られたが、後に親戚に里子に出された。父が再婚して再び別の女性が母代わりに。関係はよかったが、幸せは続かず、デビュー3年後、父が交通事故で亡くなっている。 ■「妻も使った」夫が供述 ママタレントとしての売り出し戦略としても、夫は必要だったのかもしれない、とこの芸能コラムニストは言う。 「最近は水野真紀のようなセレブママ路線を目指していたようだから、いくらバカ夫でも、青山の一等地に実家があるボンボンは必要だったのかも」 こんな想像もできる。夫との関係が壊れているぶん、息子に入れ込んでいた、のりピー。中学受験を考えれば、離婚は足を引っ張る材料だ。受験を終えるまでは、離婚はできないと思っていたのかも知れない。 それほどまでに執着した「偽装結婚生活」によって、すべては崩壊した。 ママ役で出演していたトヨタのミニバン「ノア」や、頭痛薬「ノーシン」のCMは、ホームページから削除され、契約打ち切りは必至だ。 皮肉なことに、その清潔なイメージが買われて、かつて「麻薬・覚せい剤禍撲滅運動」のイベントにゲスト参加したこともある。昨年には、最高裁判所が作製した裁判員制度の広報用映画「審理」に、罪を裁く主婦の裁判員役で出演していた。だが、そのイメージを再び取り戻すのは不可能だろう。 「芸歴が長く、苦労してここまできたタレントなのに、これで復帰は難しい。薬物とは一番縁遠いイメージで売ってきたから、どう復活できるかなんて想像もつかない」(前出・芸能コラムニスト) 「理想のママ」の虚像を追い求めた。夫と一緒に覚醒剤にまで染まった。その夫は、警察に捕まると、こう供述した。 「妻も覚醒剤を使った」 それが酒井容疑者に嫌疑が及ぶ端緒となった。 (8月17日号)
|
|