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北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光

      議会基本条例発祥地はまた「次期総理」鳩山家と深い因縁が…

竹内謙2009/08/24
 全国で初めて議会基本条例を制定した北海道夕張郡栗山町は、議会改革の「聖地」としてこの夏も、全国の自治体議員らの視察でにぎわっている。札幌の東40km、石狩平野南部の田園地帯に位置するこの鄙びた町で最近、もう1つの「聖地」が急速に脚光を浴びることになった。

北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | <center>公道脇の鳥居から参道が続いていた
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公道脇の鳥居から参道が続いていた
 もう1つの「聖地」は、JR函館室蘭本線の栗山駅から北東へ3km余り。広々とした水田地帯の中を貫く道道30号線のすぐ脇に比較的新しい鳥居と神前灯篭があった。社標には、鳩山由紀夫民主党代表の父・威一郎氏(衆院議員・外務大臣)の書で「鳩山神社」とある。砂利敷きの細い参道が奥の森に向かって続いている。

 軽い上り勾配の参道を約250m。木立の蔭に質素な社があった。灯篭、手水舎、本殿がひっそりと佇んでいる。小高い境内からは農地と集落が一望できる。集落の「鎮守の社」といった趣だが、神社の故事来歴はどこにも書いてない。

北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | <center>参道を進むと木陰に神社があった
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参道を進むと木陰に神社があった
 案内してくれた町役場OB職員や地元の人の話によれば、この地に由紀夫氏の曽祖父・鳩山和夫氏(衆議院議長・早稲田専門学校長)が経営する鳩山農場があった。和夫氏は明治27(1894)年、未開地の貸下げを出願、翌年から開墾したもので、この一帯の入植の始まりであった。

 当時は地名に農場の地主の名前が付くのが一般的で、鳩山農場は戦後の農地改革で農民に払い下げられたが、いまでも地区名は「鳩山」と呼ばれる。鳩山川、鳩山池もあり、農場を守る神社は1975年の改築の折に「鳩山神社」と名付けられた。鳩山地区の人口は49世帯136人(2005年国勢調査。1995年からの10年間で10世帯44人減)。神社は地区の全戸が氏子として共同管理、春と秋には祭典が催される。

北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | <center>境内からはかつて「鳩山農場」であった鳩山の集落と農耕地が一望できる
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境内からはかつて「鳩山農場」であった鳩山の集落と農耕地が一望できる
 鳩山由紀夫氏が学究生活(専修大学助教授)から政治家への転身を図った1986年の総選挙は中選挙区制度の時代で、由紀夫氏は旧北海道4区(定数5)から自民党公認で初出馬、2位で初当選した。旧北海道4区には鳩山農場があった栗山町も含まれており、由紀夫氏は「鳩山神社」での必勝祈願から選挙戦をスタートしたという。
 ・第38回衆議院議員選挙 1986年旧北海道4区(ザ・選挙)

 その後、4回目の1996年の総選挙からは小選挙区制の北海道4区に移り、栗山町は選挙区から外れることになったが、「鳩山神社」が政治家・鳩山由紀夫の「聖地」であることに変わりはない。総選挙後に総理大臣になる可能性が高まるにつれて、雑誌などが鳩山家と縁の深い鳩山農場や鳩山神社を取り上げようとする動きもあり、栗山町は議会に加えてもう1つの名所ができるのではないかと胸を膨らませている。


(下の写真はクリックで拡大します)
北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | <center>種馬鈴薯圃場標札の所在地欄には「栗山町鳩山」とある
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種馬鈴薯圃場標札の所在地欄には「栗山町鳩山」とある
北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | <center>集落の真ん中に位置する「鳩山中央公民館」
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集落の真ん中に位置する「鳩山中央公民館」
北海道栗山町、鳩山代表ゆかりの「聖地」として脚光 | あちこちに鳩山由紀夫民主党代表の「政権交代」のポスターが見える
あちこちに鳩山由紀夫民主党代表の「政権交代」のポスターが見える

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