2009年9月14日15時3分
民主党の鳩山代表は14日夕、次期幹事長の小沢一郎代表代行と会談し、新内閣の閣僚・党役員人事について最終調整する。これまでの調整で、国民新党の亀井代表(72)を防衛相に、社民党の福島党首(53)を消費者担当相や少子化対策担当相に起用する案が有力となった。鳩山氏は16日の特別国会での首相指名後ただちに組閣を終え、連立内閣を発足させる方針だ。
鳩山氏は14日午後、麻生首相と国会内で会談し、政権引き継ぎについて協議する。夕方の小沢氏との調整を経て、早ければ14日夜にも入閣候補本人に内示を始めたい意向だ。党役員人事は15日の両院議員総会で了承を得る見通し。
亀井氏の処遇をめぐっては、郵政民営化問題を優先課題とする国民新党から総務相を希望する声が出ていた。しかし、民主党が政権公約に掲げた「地域主権」を推進する中心官庁のため、別のポストを検討。自民党出身で与党経験が長いベテランの亀井氏を防衛相にする案が浮上した。
亀井氏は警察官僚出身で、自社さ政権の樹立の中心になった。自民時代の04年にはイラクへの自衛隊派遣承認案の衆院本会議採決を欠席したこともある。
民主党は安全保障政策で党内に意見対立を抱え、自衛隊の海外派遣に積極的な保守系議員の起用には慎重論がある。防衛相起用が有力視された野田佳彦元国会対策委員長は、近著で集団的自衛権行使を一部容認する考えを明記したことが判明したことから外れる方向になった。
防衛相人事では連立相手で海外派遣に反対する社民党との関係も重視。亀井氏が代表を務める国民新党には沖縄選出議員がおり、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で連立の枠組みを重視した調整を亀井氏に託す狙いがあるとみられる。
社民党への対応では、同党は環境相を希望する一方で「生活再建」を前面に掲げているため、福島党首には消費者担当を軸に、少子化対策や男女共同参画担当を加えたポストを用意する方向だ。
現在、与謝野財務相が兼務している金融担当相は、財務相への藤井裕久最高顧問の起用を前提に、切り離す方向となった。
鳩山、小沢両氏の会談では、閣僚の人選に漏れたベテランを衆参両院の常任委員長ポストなどに割り振る調整を行う見通しだ。