信州岩波講座「臥龍塾」は12日、須坂市メセナホールで開いた。「日米同盟とは何か-沖縄の現実から将来像を考える」をテーマに、元沖縄県知事の大田昌秀さんが基調講演。信濃毎日新聞の中馬清福主筆との対談もあった。
大田さんは、本土を守る防波堤として20万人余が命を落とした沖縄戦の実態を、学徒隊「鉄血勤皇隊」だった経験も踏まえ語った。日本軍が住民を処刑した実例に触れ、「若者に本当の戦争の中身を知ってほしい」と強調。戦争の記憶が薄らいできているとして、「徴兵制や核武装が憲法に違反しないとの身震いするような主張もある」と問題提起した。
対談では、大田さんが「日米安保の名の下」に在日米軍専用施設の約75%が沖縄に集中し「基地から離れられない構造になっている。こんな民主主義はおかしい」と指摘。中馬主筆は、日米同盟だけでない安全保障の在り方を示し、「米国の軍事、経済面も心配になってきた今、日米安保の矛盾や弱点をチェックする時期がきた」と述べた。
【講演要旨は14日付の文化面に掲載します】
(提供:信濃毎日新聞)