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iPS細胞の山中教授に米ラスカー賞・基礎医学部門

2009年9月14日15時15分

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写真「ラスカー賞」受賞が決まり、会見する山中伸弥・京都大教授=14日午後、京都市左京区、高橋一徳撮影

 【ワシントン=勝田敏彦】米ラスカー財団は14日、今年のラスカー賞の基礎医学部門に、さまざまな組織に変化するiPS細胞(人工多能性幹細胞)をつくった京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授(47)ら2氏を選んだと発表した。ラスカー賞は米国で最も権威がある医学賞で、受賞者の多くが後にノーベル賞を受けている。授賞式は10月2日にニューヨークである。

 英ケンブリッジ大のジョン・ガードン氏(75)との共同受賞。ガードン氏は50年代、カエルの成体の細胞の核を卵子に移植すると、卵子の核のような「多能性」を取り戻し、さまざまな細胞や組織になることを示した。山中教授は06年、マウスの細胞の核に特定の遺伝子を導入する方法で、ふつうの細胞に多能性をもたせることに成功した。07年には人間でも同様のiPS細胞づくりに成功した。

 この成果により、患者の皮膚などの細胞から治療に必要な組織をつくって、移植する「再生医療」実現への道が開けた。脊髄(せきずい)損傷や糖尿病などの治療につながると期待されている。受精卵を壊してつくる胚(はい)性幹細胞(ES細胞)からもさまざまな組織ができるが、倫理上の懸念などがつきまとっていた。

 ラスカー賞の日本人の受賞は6人目。昨年は血中コレステロール濃度を下げる薬のもとになる物質「スタチン」を発見した遠藤章・東京農工大特別栄誉教授が臨床医学部門で受賞しており、2年連続になる。87年に基礎医学部門で受賞した利根川進・米マサチューセッツ工科大教授は、同年に日本人唯一のノーベル医学生理学賞を受けた。今年の同賞は10月5日に発表される。

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