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リセ・スタイル、古着のスタイリング。忙しくも充実感に満ちた幸福な'80年代を過ごし、'90年代へ。そして大森さんの暖かなぬくもりあふれる世界観は'90年代に入り、自分の身の丈に合い、心から「カワイイ」「着たい」と思える日本人デザイナーの登場により現実のものとなる。「ヤブヤムやミナなど、ドメスティックなデザイナーの登場は、私にとっては大きな出来事でした」。
それまでは「着たい」と思う服は海外の場合がほとんどだった。だがドメスティックなデザイナーが登場し、彼らとの直接のやりとりを通じて、彼らが服を作ったときの気持ちまでを細かに聞けるようになった。彼らが傾ける服への愛情の深さに直に触れられるようになった。その経験が、大森さんのスタイリングに新たな深みと彩りを与えたという。「人の手がかけられ、大切にされたもの」。スタイリングの根底に流れる大森さんの精神は、彼らデザイナーと共鳴し合いながら、さらに研ぎ澄まされる……。
そして今、大森さんは仲間3人で「とりとめもない夢を話しながら、夢を形にしていく夢想集団」と自身で呼ぶビジュアルユニット「※3 スリープ」を結成し活動。さらに最近手がけているのが、「※4 装+(ソウプラス)」の「着物」のプロデュースだ。「スタイリストの仕事を通じ、今まで本当にいろいろなものを見てきました。着物はそんな私に、原点に立ち返って『カワイイ』という感覚を喚起してくれるんです」。「装+(ソウプラス)」の着物は、大森さんがちょっとしたディレクションを与えたことで、若い人々にも受け入れられる形で現代的に蘇る。たとえば、ミナの生地を使った着物に足袋。パーティに持っていけそうな、着物地のがま口バッグ、伝統的なつまみかんざしのモダンなアレンジ……。
「スタイリストになり、最初の5年間はとにかく無我夢中で仕事していました。6年目からは余裕もできたから『スタイリストのほかにも何かできるかな』と思い、さらに10年目には『自信もついたし、今から何でもできる』と考えた。でも15年目を迎えたとき、『ほかの仕事はできない』と思うほどこの仕事にのめり込んでいたんです」。たくさんの経験を重ね、スタイリストの仕事を続けてきた大森さん。仕事については「何より好きなことを続けること」だと語る。そして今、大森さんは独特の世界観を描きながら、オリジナリティあふれるクリエーションを私たちに見せてくれる。 |
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自宅のテーブルで。昭和初期に建てられた住居はパリのアパルトマンのよう。
見た目の可愛いさから思わず手にとった、アンティークの髪飾り。
東急東横店にある「装+」のショップ。店内にはかわいい和小物が並ぶ。 |
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※3 「スリープ」
1大森さんとアートディレクターの平野文子さん、ミュージシャンのYUKIさんの3人からなるユニット。大森さんは洋服のデザインを担当し、カルチャー雑誌を中心にビジュアルを露出している。2003年は写真集を発表、そのほかギャラリーなどの空間を使って、作品を見せようと検討中。
※4 「装+(ソウプラス)」
斬新な感覚で着物の装いを提案するブランド。大森さんとも長いつき合いの「撫松庵」の和物セレクトショップで展開している。女の子の「カワイイ」をテーマに、大森さんプロデュースの小物が揃う。2003年1月9〜22日まで東京・渋谷の東急東横店にて、大森さんが大好きなブランド「ミナ」の生地を使った着物が展示販売。
東京都渋谷区渋谷2-24-1渋谷東急東横店西館8階
tel. 03-3477-4464
営業時間/10:00〜20:00
無休
http://www.bushoan.co.jp/fan/so_3.html |
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