どうぞ、“おいしい死体”を召し上がれ♪タイ全国の珍しいモノを探し出して紹介するタイの人気番組『珍しいねぇ』。「ラーチャブリー県に珍しい食べ物がある」という情報をキャッチした番組は、人気俳優のレック・ファンデーンをレポーターに据え、現場に出かけた。現場に到着したレック・ファンデーンは、「珍しい食べ物がある」という部屋に入って絶句してしまい、そのまま何も言葉を発することができなかった。なぜならその場所は病院の霊安室のように涼しく、血だらけの人の死体が積み重なっていたからだ。驚いたレック・ファンデーンは逃げようとしたところにオーナーがやってきてこう言った。「目にしたものを、すぐにそのまま信じてはいけないよ」。レック・ファンデーンが固まっていると、オーナーは慌てて「あはは、コレは本物じゃないよ、パンでできた死体なんだよ」と説明した。 オーナーはスィラスパコーン大学院の修士課程に在学中のキッティワッ・ウンアローンという28歳の男性。「コレはパンでだよ。血は食用色素で作ってるんです」。キッティワッさんは大学院で表面に塗布した色素を保存する条件について研究中で、この死体パンはその研究の一環で作ったものらしい。しかも、彼は普段、イーストベーカリーというパン屋さんも経営しているのだ。「でも、この死体パンを作ったらみんなから気持ち悪いって批判ばっかりされてるよ。なんでこんなに本物の死体そっくりに作れたかというと、バンコクのシリラート病院にある死体博物館まで死体の見学に行ったし、医者をやってる友人にもアドバイスしてもらったからね。この研究をしてからいろいろな物事がよくわかるようになったよ。人は外見ばかりを見がちだけど、そうじゃない。大事なのは中身なんだよ。ホラ、このパンだって見た目は恐ろしいけど、実際に食べることができるんだ」と、キッティワッさん。 そう説明してからキッティワッさんは実際に死体パンを作ってくれた。死体のモデルはレック。材料は小麦粉、卵、ミルク、カシューナッツ、チョコレート。出来上がったパンは見事にレックの顔にそっくり。キッティワッさんはレックにパンを渡し、「どうぞ食べてください」とにっこり笑った。 レックは引きつりながらもパンを一口食べてこうコメントした。「味は普通のパンと同じでおいしいよ。でも、自分の顔を食べるのはちょっと何とも言えない気分だよ…。僕は前に救急ボランティアをやったことがあるから血まみれの死体を何回も見たことがあるんだけど、このパンは本当に死体の一部みたい。恐ろしくて食べられないよ…」。 あなたも死体パンを食べてみませんか? (2005年9月1日-タイ) |